NTTは2日、通信ネットワークの全区間で光信号を使って伝えるオールフォトニクス・ネットワーク技術（APN）で初となる商用サービスを16日から提供すると発表した。NTTグループが掲げる光技術による次世代情報通信基盤「IOWN（アイオン）」構想の実現に向けた第1弾の取り組み。

　NTTグループはフォトニクス（光）ベースの技術を活用し、従来の電子ベースの通信ネットワークと比べ、伝送容量を125倍、電力効率を100倍、遅延を200分の1にするAPNの実現を目指している。

　第1弾としてネットワークサービス「APNIOWN1.0」を商用化。通信回線やサーバーなど通信網の全区間で光信号を使い、インターフェースに光伝送網を多重収容できる光伝送網規格OTU4を採用し、高速大容量と低遅延を実現した。

　APNIOWN1.0上での遅延調整機能を備えた端末装置「OTNAnywhere」も合わせて提供。NTT東日本と西日本が販売する。

　記者会見したNTTの川添雄彦副社長は「IOWNは構想から現実へ動き出した。まずは低遅延化を打ち出し、さらに低消費電力化を目指したい」と力を込めた。
（3日付電波新聞／電波新聞デジタルで詳報します）