2023.04.14 パナソニックやベネッセが「GPT」活用 安全配慮、DX加速へ BtoC視野も

パナソニックの発表から

ベネッセの資料から(チャット画面の例)ベネッセの資料から(チャット画面の例)

 大手企業で、対話型・生成AIを活用する動きが相次ぎ始めている。パナソニック ホールディングス(HD)は14日、パナソニック コネクトが活用しているAIアシスタントサービス「ConnectGPT」をベースに全社版の環境を構築。「PX-GPT」として、グループの9万人に向けて展開を開始したと発表した。べネッセホールディングスも同日、同様にグループ1.5万人向けの展開を発表した。

 パナソニック コネクトでは2月のサービス開始以来、多くの社員が「ConnectGPT」を業務で活用。グループの社員からも、AIアシスタントサービスの業務活用の可能性の評価・検証や業務効率化のためのAI活用の要望があがってきていた。

 そこで、パナソニックHDは、最先端のAIテクノロジーの導入と業務への適用をパナソニックグループ全体へ波及させることで、より多くのサービスやソリューションを創出することを目指すと決めた。パナソニックグループ版AIアシスタントサービス「PX-GPT」を構築した。

 日本マイクロソフトのパブリッククラウドMicrosoft Azure上で利用できるAzure OpenAI Serviceを活用。グループの国内全社員が社内イントラネット上からアクセスすることで、いつでもAIを活用できる。

 Microsoftが提供するGTP3.5の法人向けサービス(API提供型)のAIエンジンをベースに開発し、入力した情報の二次利用や第三者提供がされない仕様で、入力した情報は一定期間を過ぎたら消去するなど、セキュリティー面に配慮している。ユーザーインターフェースには使用に際しての注意喚起を明記している。

 英語で質問した方が、より精度の高い回答が得られることから自動翻訳機能も搭載している。

 利用ルールを整備し、入力情報の取り扱い(社内情報・営業秘密・個人情報などの入力はしないなど)には細心の注意を払い、適切に情報を活用するよう全社員に注意喚起を徹底していく。

 ビジネスアイデア創出への挑戦を促進するほか、全部門の社員にAIの活用方法を加速度的に学習させ、新技術を利活用できる人材を育成するとしている。

 一方、ベネッセも、社内AIチャット「Benesse GPT」を、グループ社員1万5000人向けに提供を始めると発表した。将来は消費者向けのサービスでも活用を視野に入れる。

  日本マイクロソフトがパブリッククラウド 「Microsoft Azure」上で提供するAzure OpenAI Serviceを活用した、AIチャットサービスを運用するもの。

 社員はイントラネット上で、いつでもAIチャットサービスを使用することができる。セキュアな環境下で、AIチャットサービスの業務効率化への活用や、商品開発に向けた技術活用の検証などが可能になる。

 Benesse GPTは、MicrosoftがAzure上で提供するOpenAI Seriviceを利用して開発。クローズドな環境で外部に情報が漏洩しない仕様となっているなど、やはりセキュリティー面に十分配慮している。

 3月下旬から社内検討を開始、4月4日から社内プレ公開の予定。約600人の社員でモニター的に先行利用し、全面的に導入することにした。アイデア出しなど、いわゆる「壁打ち」作業などに使う。

 「今後は、AI活用をさまざまな角度から議論し、サービス自体の検証も重ねながら、Benesse GPTも継続的にバージョンアップをしていく予定」としている。

 ベネッセは全社戦略に基づき、21年から社長直下に部門を設け、全社横断的にDXを推進している。

 教育・介護を中心に、「人生のあらゆるステージで活用していただけるサービスを提供する」とするベネッセは、ChatGPTについても、この部門がDIPが主体となり現場開発者と共に活用を検討、議論を重ねてきた。

 現場の開発者・企画者が安心・安全な環境でAIチャットサービスを検証できる環境を整備することを目的に、「Benesse GPT」を開発した。

 教材などでは既にAIを活用しているが、今後、教材の利用者や保護者、介護サービス関連などで、生成AIをBtoC的に活用することも視野に入れているという。
 (18日付の電波新聞/電波新聞デジタルで掲載予定です)