2023.04.20 先端AIプラットフォームを無償公開 富士通、技術進化へ利用者と共創

「Kozuchi」で利用できるAIエンジンやコンポーネント(出所:富士通)

 富士通は20日、同社の人工知能(AI)技術をクラウド経由で無償で利用できる新たなAIプラットフォーム「Kozuchi(小槌、コヅチ)」を公開した。同社のAI技術をパッケージ化しただけでなく、他社の技術を組み合わせ、課題解決に必要となるAIプログラムを搭載。研究開発の段階からコヅチ利用者との共創を強化し、富士通のAI技術の進化促進と、新たなサービスの早期開発につなげるのが狙いだ。

 コヅチは、富士通が有する大規模並列コンピューティングを基盤に培った人の振る舞いや表情を認識するAIや、判断結果を説明可能なAI、因果関係を見出し新発見へ導くAIといった先端技術を搭載。研究開発段階の技術を早期に提供し、コヅチ利用者の活用経験を取り込んでAIプログラムやエンジンを継続的に改良、進化させ、共創でAI活用の新たなユースケースを探索していく仕組み。

 ビジネス課題に必要なAI技術をパッケージしコンポーネントとして提供。富士通が開発した先端AI技術をはじめ、自由に利用できるオープンソースソフトウェア(OSS)やパートナーのAI技術と組み合わせて、迅速にPoC(概念実証)を行える。製造現場の作業者分析コンポーネントを活用した事例では、従来は3カ月以上要していたPoCシステムの構築が3日で完了したケースもあるという。

 AIコアエンジンは、富士通が研究開発したAIソフトウエア部品やツールで構成。利用者は富士通の先端AIを活用して、新たなビジネス領域やAI開発に取り組むことができる。

 富士通研究所長岡本青史執行役員EVPは 技術を製品化のレベルまで自社内だけで育て提供してくサイクルに対し、今回はもっと早い段階から技術を幅広く利用してもらい、技術を進化させ社会への価値提供につなげていくのが狙い」と説明した。

 (21日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)