2023.05.24 台湾のSIPOと電電公会が次世代EV技術動向セミナー開催

SIPOの梁涵玉組長

会場の様子会場の様子

日本からソニー・ホンダモビリティなど講演

 台湾経済部工業局のスマートエレクトロニクス産業プロジェクト推進室(SIPO)および台湾区電機電子工業同業公会(組合)(略称:電電公会)は19日、台北市内で「台日次世代EV技術動向セミナー」を開催した。当日は、台湾のカーエレクトロニクスに関わる関係者が来場。電子部品や半導体、EMSなどの企業69社79人が聴講した。

 同セミナーは台湾経済部工業局(IDB)の監修のもと開催。スマートモビリティーをテーマに、次世代電気自動車、SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)、スマートコクピット、車両のサイバーセキュリティーなどについて、日台を代表する企業が講演を行った。

 日本からはソニー・ホンダモビリティの川西泉代表取締役社長兼COOが「モビリティにおける新たな価値基準の創出」と題し、オンラインで講演。ソニーとホンダ2社の知見や技術を結集させ、自動車業界の法規やルール、技術を学び、IT業界的な水平分業のビジネスモデルをうまく取り込み、革新を追求していく企業姿勢などを紹介した。

 「自動車を単なる移動手段から感動空間へと変え、移動の価値を高めていく」(川西社長)とし、車両を購入してからの顧客体験をソフトウエアにより進化させるSDVの概念や新ブランド「AFEELA」のコンセプトなどについて説明。AFEELAの商品投入計画についても紹介された。2025年前半に先行受注を開始し、年内に発売。26年春に北米から出荷を開始し、同年後半には日欧への出荷を予定している。

 続いてNECソリューションイノベータの中橋功上級プロフェッショナルが「自動運転における画像認識の動向と課題」をテーマにオンラインで講演。同社が得意とするカメラと3D LiDARのデータを処理する認識ソフトウエア技術をベースに、SDVや車載カメラによる画像認識、3D LiDARによる3次元点群処理のトレンドと実例について紹介した。

 中橋上級プロフェッショナルは「自動車のアーキテクチャーがドメイン型からゾーン型に移行することで、機能をまたいだ複雑な制御やユーザー体験の拡充がソフトウエアの追加により実現可能となる。SDV実現に向け、当社も車載組み込みソフトウエア開発技術で貢献していく」と話す。

 日本企業の講演の後には台湾企業が講演した。EMS大手ペガトロンの林根源博士は、スマートコクピットの開発トレンドや将来のビジネス機会について講演。DEKRAの蕭鴻凱総監が5Gによる車両検査・認識の動向について講演した。電波新聞社は、同セミナーの共催企業としてサポートした。