2023.05.31 テクニクスが完全ワイヤレスイヤホン最上位機 長時間装着でも疲れにくい
完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップAZ80(手前)は音質と装着感を大幅に改善した
パナソニックは、高級オーディオ「テクニクス」ブランドの完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップ機など2機種を6月15日から発売する。最上位機は落ちにくく長時間使っても疲れない形を採用するとともに、素材や構造から高音質化に徹底的にこだわり有線イヤホンのような音質を実現している。2機種とも、スマートフォンやタブレットなど3台に同時接続できるマルチポイント接続に業界で初めて対応した。
音響設計など刷新
新製品は最上位機の「EAH-AZ80」とミドル機の「EAH-AZ60M2」の2機種で、音質、通話、装着感、使いやすさが大幅に進化した。今回広帯域再生ができるよう音響設計と機構構造、回路設計を刷新。デジタルとアナログ制御を組み合わせた独自技術で業界最高クラスのノイズキャンセリングも実現している。
AZ80は、10ミリメートルドライバーと有線イヤホンで採用しているアルミニウム振動板を新たに採用し、力強く原音に正確な音を再現できるようにした。高域の伸びもよい。
あわせて装着感も徹底研究し、快適に長時間着けられるようになった。イヤホンは耳を圧迫する力に頼らずに装着できる形状を実現。「試作は300個以上で装着試験は延べ234人で行った」(パナソニックエンターテインメント&コミュニケーションスマートコミュニケーションビジネスユニット大津一紀統括兼ハード設計部長)という。イヤピースは耳のサイズに合わせて7種類から選べる。
通話機能も強化
高音質化だけでなく通話機能も強化。AZ60M2とともに左右合計八つのマイクを搭載し、独自の通話技術で話し手の声だけがクリアに聞こえるようになっている。AZ80は発話検知マイクを進化し強風が吹いている環境でも相手に声が聞き取りやすくなった。
ノイズキャンセリングはデジタルとアナログの制御に加え、イヤホンの外側と内側のノイズを最適に処理することで業界最高クラスを実現している。AZ80は会話帯域のノイズキャンセル性能がさらに上がった。
複数の端末に同時接続できるマルチポイント機能にも対応した。一般的には2台までの接続機能に対応している機種が出ているが、新製品は業界で初めて3台接続に対応した。「タブレットやパソコン、スマホなど3台の接続を切り替える操作などもいらない」(大津部長)という。
大津部長は「音質を求め、ビジネスでも使いたいというユーザーに使ってほしい」と話す。テクニクスブランドで完全ワイヤレスイヤホンを発売して約3年になる。音質と装着という相反する課題に解決した新製品で需要を掘り起こしていく計画だ。価格はオープン。市場想定価格はAZ80が3万6600円前後、AZ60M2が2万7700円前後(いずれも税込み)となる。