2023.06.14 【Interop Tokyo特集】会場の見どころ ローカル5Gの利活用に注目 放送業界のデジタル化も

会場では主催者展示なども見どころが多い(写真は昨年の会場)

5Gなどの利活用も課題で、5Gをテーマにした提案も行われる5Gなどの利活用も課題で、5Gをテーマにした提案も行われる

SHOWNETは大規模な会場ネットワークの中で実証されるSHOWNETは大規模な会場ネットワークの中で実証される

 展示会場での見どころも豊富だ。主催者企画では「ローカル5Gサミット」「アカデミックイノベーション」「メディア・オーバー・IP・パビリオン」が用意されている。

 5Gとローカル5Gは利活用の段階に入ってきている。特にローカル5Gは工場をはじめ企業の現場での利活用が求められており、各社で実証実験などが進んでいる。

 5Gを本当に活用していくには、ローカル5Gを組み合わせていくことが重要だといわれている。有線通信しかできないところに高いセキュリティーを確保しながら高速無線通信ができるメリットは大きい。会場ではローカル5Gの利活用に向けた提案が各社から行われる。

 1994年の初開催以来、産学官連携の支援を続けてきたInteropでは、今回も各大学や研究機関との成果を披露する。大阪大学や神奈川工科大学、奈良先端科学技術大学院大学などが展示する。産学連携は通信の発展には不可欠だ。企業だけでなく最新技術と連携したサービス創出が重要で、先端技術をどう商用化につなげていくかを具現化していくためにも展示内容が注目されている。

 「メディア・オーバー・IP・パビリオン」では、放送業界にスポットを当てた提案を行う。現在、放送業界もデジタル化が進み、放送と通信の融合が本格的に始まっている。特に新型コロナウイルス禍を経た今は、インターネットや放送の活用方法もさらに進めていく必要が出てきている。

 従来の映像と音声から、新たなデジタルコミュニケーションの基盤としての活用が模索される中で、放送のデジタル化とIP(インターネットプロトコル)化は重要な課題になっている。ここでは最新のIP通信による技術やソリューションを紹介して、これからの放送業界の在り方を考えていくという。

「SHOWNET」構築、今ある技術を改善・進化

 Interopといえば「SHOWNET」からも目が離せない。94年の初開催以来、会場内にネットワークを構築するSHOWNETというプロジェクトを進めている。Interopは86年に米国カリフォルニア州モントレーで、ネットワークに関心を持つ学識者や技術者が集まって開催されたコンファレンスが始まり。各自がネットワーク機器を持ち寄り、実際に接続して運用することで課題を解決し、インターネットの発展に寄与してきたといわれている。

 Interop Tokyoでもこのプロジェクトを進めており、今回も出展社から提供された1500台以上の製品とサービスと、約400人のエンジニアが集結してネットワークを構築している。これほどまでに大がかりなネットワーク構築プロジェクトはほかにないという。

 今年のテーマは「Refine the Technologies(リファイン・ザ・テクノロジーズ)」。ネットワーク環境がますます重要になる中で、今ある技術をどのように改善し進化させていくかが重要になっている。

 今回は、各社が開発している技術や製品を活用し、前回のテーマだった「Over the Premise」で得た知見をさらに磨いていく。見どころは、さまざまな光ネットワーク製品とセキュリティー対応製品などで広がりをみせる400?の利用シーンのほか、800ギガ、1.2ギガといった次世代超広帯域伝送網と光ネットワークについて実演する。

 さらにローカル5GのデモやWi-Fi新企画への対応など、進化しているワイヤレスネットワークについても披露する。

 そのほか、出展企業からエントリーされる新製品を審査委員会が審査し、決定するアワードなども予定されている。