2023.06.29 東芝株主総会 TOB実施、島田社長が株主に理解求める
東芝の定時株主総会会場へ向かう人たち=29日、東京都新宿区
東芝は29日、東京都内で定時株主総会を開いた。投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)などの国内企業連合は、7月下旬にも株主に対して株式公開買い付け(TOB)を開始する見込み。東芝の島田太郎社長兼CEO(最高経営責任者)は、企業価値向上に向けたTOBへの理解を株主に対して求めた。
株主総会で島田社長は、「東芝の強みは技術のダイバーシティー(多様性)と考えている」と強調。その上で「これを維持して中長期の視点で企業価値を向上していくため、非公開化という新たな枠組みを提案した」と述べた。渡辺章博取締役会議長も「取締役会全員は株主の最善の利益を考えて全力を尽くした」と語り、非上場化への理解を求めた。
東芝は3月の取締役会で、企業連合による買収提案を受け入れることを決議し、今月にはTOBへの応募を推奨すると発表した。成立すれば、東芝の株式が上場廃止となる。
1949年に上場した東芝にとって今回が上場会社として最後の株主総会となる可能性が大きい。出席した株主は346人で、例年より多かった。質問した株主は18人で、「非上場化は決して好ましくない」などの厳しい意見も浮上した。
会社が提案した取締役の選任案は、賛成多数で可決された。