2023.07.14 【電子部品技術総合特集】アルプスアルパイン 泉英男社長CEO兼技術担当

泉 社長

〝T型企業〟をめざす

感動・安全・環境の価値創出

 アルプスアルパインは、研究開発部門では「CTB(クリエイティブ・ザ・ビジネス)」のテーマに基づき、先行開発を推進。成長ドライバー創出による事業ポートフォリオ変革に向けた開発を進めている。

 同社が目指す姿は「ITC101 革新的T型企業」。6月23日付で代表取締役社長CEO兼技術担当に就任した泉英男社長は「ハードウエアとソフトウエアの両技術で『感動』『安全』『環境』の価値を創出するT型企業を目指す」と話す。

 注視するトレンドは「センシングとアクチュエーションの進化」「人の働き方とライフスタイルの変化」「自動車アーキテクチャの変化とモビリティの革新」。泉社長は「XR技術革新によるセンシングとアクチュエーションの進化で新たなニーズが生まれている。AIやロボティクスの進化によるライフスタイルの変化に対し、安全・環境をキーワードに取り組む。CASE時代の自動車アーキテクチャーの変化とモビリティー革新に対し、安心と感動を提供していく。後発ではなく新しい価値を創り出すことを重視する」という。

 セグメント別では「特に伸ばしたいのは、センサー・コミュニケーション。過去数年間、予防安全製品に注力し、認知度が高まってきた。グリーン製品やサービス製品も伸ばしていく」(泉社長)。

 モジュール・システムでは旧2社のHMIを統合し、顧客の快適空間創出に注力してきたが、車のアーキテクチャー変化を踏まえ、キャビンコントローラー領域の開発を強化し、成果に結び付き始めている」(泉社長)。

 同社の研究・開発は①コーポレート開発②事業担当開発③地域別開発(NBD)があり、技術人財は全世界で約5000人が在籍するが「世界情勢が変化する中、地域ニーズに応えるため、NBDを増強する必要がある」(泉社長)。

 国内技術開発体制は、古川(宮城県大崎市)と仙台で一貫して開発できる体制が整備された。アライアンスも継続強化する。「特に自動車分野は単独の開発は困難。ソフトウエアの重要性が増しているため、今後もリソース確保に努める」と泉社長は語った。