2023.07.27 【半導体/エレクトロニクス商社特集】三信電気 デバイスとソリューション 両事業を柱に拡大へ
鈴木 COO
三信電気は、半導体・電子部品を扱うデバイス事業と情報通信ネットワークを核としたシステム提案・構築を行うソリューション事業を展開している。総合力を生かした細かなサポートを通じ、顧客のベストパートナーを目指す。
デバイス事業は旺盛な受注が続いた昨年に比べると落ち着いてはいるものの車載向けが好調。部品不足の影響で停滞していた顧客の生産が動き始め、同社への受注も追い風だ。
鈴木俊郎代表取締役社長執行役員(COO)は「サプライチェーンの混乱が落ち着き、部品も流れも良くなっている。一時的な在庫の積み上がりはあるが、徐々に正常化するだろう。さらなる成長を見据え、注力分野への取り組みを加速させる」と話す。
デバイス事業で注力するのがAI/IoT分野。最大4チャンネルのアナログセンサーを接続可能なマルチ通信ゲートウェイを用いたIoTシステムを構築し、河川の水位監視やアンダーパスの冠水監視向けに提案している。BLEカメラやソーラーパネルを組み合わせた「ため池管理システム」も西日本を中心に実績を伸ばしている。「豪雨被害が年々増えており、IoTの技術で防災に貢献する」(鈴木COO)。
ソリューション事業では、DXとクラウドへの取り組みを加速。DXのビジネス拡大に向け、社員教育を拡充し技術力の強化に取り組む。鈴木COOは「近年、顧客もDXに対する知見を高めており、提案力が求められる。技術力・提案力を積み上げ、顧客に最適なDXを一緒に考えていく」と話す。
DX関連では、セキュリティーを目的とした企業ネットワークの引き合いが増えている。クラウド関連でも強固なセキュリティーによる情報資産の管理を強みとする自社のデータセンターを提案。多彩なサービスを取りそろえ、DXとクラウドビジネスの拡大に取り組む。
今期(24年3月期)は中期経営計画の最終年度となる。目標達成に向け取り組みを強化するとともに、次期中計の策定も開始する。「将来の在るべき姿を見つめ直し、顧客の課題やサステナビリティーなどを考慮に入れて考えていく」(鈴木社長)とし、さらなる成長につなげていく。