2023.08.18 トライポッド・デザインが「超小集電」で衛星と通信に成功 アークエッジ・スペースと共創

超小型人工衛星「OPTIMAL-1」

 通常のエナジーハーベスティングを超える技術として「超小集電」の実装を目指すトライポッド・デザイン(東京都千代田区)。電源のない「オフグリッド」環境下のIоTに取り組む一環で、衛星開発事業を手掛けるアークエッジ・スペース(東京都江東区)と協力し、森林や海洋などオフグリッドの環境センシング技術の協働開発に着手した。このほど、超小型人工衛星「OPTIMAL-1(オプティマル・ワン)」に対し、地上環境情報のデータアップリンクを行う実証実験にも成功。今後、実験棟の公開など社会実装に向けた動きを加速させる。

 同社は、デザイナーなどとして活躍し、東京大学や名古屋大学で客員教授などを歴任した中川聰CEOが起業した。オフグリッドの環境下でも独自の集電技術で電力を継続的に供給できる仕組みとして、超小集電(MPC=Micro Power Collection)の開発に取り組んでいる。これは土や水をはじめとしたあらゆる自然物を媒体とし、集電材(電極)を介して微小な電気を収集する技術。天候や時間帯に左右されないため、災害時やオフグリッド環境下での活用が期待されている。

 実験棟を茨城県に開設し、超小集電技術による新たな環境エネルギー領域の可能性開拓を推進。集電セルの開発や、チャージコントローラーシステムの開発など、オフグリッドで長時間・安定した生活電力を供...  (つづく)