2023.08.25 アナログ規制の見直しで2.9兆円のコスト削減効果 デジタル庁が推計
デジタル庁は25日、アナログ規制の見直しによる経済効果の中間報告をまとめ発表した。巡視業務を目視からドローン(小型無人機)へ代替するなどの見直しを行うことで、約2.9兆円に上るコスト削減効果を生み出せる。デジタル技術の導入による市場の拡大も見込まれ、国内総生産(GDP)の押し上げ効果は約3.6兆円に達するという。
政府は2022年12月のデジタル臨時行政調査会で、目視や実地監視などデジタル技術の活用を阻む約1万条項のアナログ規制を見直す工程表をまとめた。今回、必要な見直しを対象に委託先の三菱総合研究所が推計した結果、コスト削減効果は3兆円に迫った。
河川や河川管理施設の巡視業務を目視からドローンなどの技術へ代替した場合、年間の巡視コストは見直し前の約30.7億円から約19.0億円まで圧縮。全ての火薬庫の見張り業務を「常時人の見張り」から24時間365日の「遠隔監視システム」へ置き換えると、年間で約6.9億円のコスト削減効果を引き出せるという。
試算によると、見直しに伴う市場拡大効果は、約0.9兆円を見込む。さらにデジタル化で浮いた労働力を人手不足の分野や成長分野に振り向ける間接効果も踏まえて、GDPへの影響額を推計した。