2023.08.28 教員の働き方改革へ生成AI(人工知能) 中教審が提言 ICT活用や実証事業も

 中央教育審議会(文科相の諮問機関)の特別部会は28日、教員の働き方改革に関する緊急提言を発表した。 ICTの活用による校務効率化の推進を盛り込み、学校保護者間の連絡手段のデジタル化、生成AI(人工知能)の活用の推進を打ち出し、実証事業も予定している。

 提言の背景には、経済協力開発機構(OECD)加盟国でも教員の労働時間は最長の部類とされる中、働き方改革を通じ、人材を取り込むことをめざす事情がある。

 提言ではICTについて、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に必要不可欠なツール」と指摘。同時に、「教師の長時間勤務を解消し、働き方改革を実現する上でも極めて大きな役割を果たす」と提起した。

 そのうえで、「1人1台端末の積極的な活用、汎用のクラウドツールを活用した教職員間での情報交換、会議資料のペーパーレス化、民間企業向けクラウドツールの転用による校務処理の負担軽減」などを例示。

 さらに「スケジュール管理のオンライン化や、学校と保護者等間の連絡手段を原則としてデジタル化するなどの取り組み」を掲げた。

 生成AIについても、「国は、個人情報や機密情報の保護に細心の注意を払いながら、教員研修など準備が整った学校での実証研究を推進し、多くの学校での活用に向けた実践例を創出することを含め、業務の効率化や質の向上など、働き方改革の一環として活用を推進する必要がある」とした。

 (30日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)