2023.09.04 「日本の半導体、冬の時代」から再生めざす ラピダス、記者会見などで展望

拠点の完成予想図

 次世代半導体の新会社、ラピダスの開発・生産拠点の建設が先週末、北海道千歳市で始まった。

 「高性能の2ナノは、スパコンなどのCPU、GPUに必要。AI(人工知能)を付加したクラウドコンピューティングにも必要になる」と小池淳義社長は会見で強調した。

 さらに「エッジコンピューターの分野でも、徹底的な省電力が必要。ポストPCやポストスマホ、さらに先のアプリケーションをやっているところから、非常に多くの関心が寄せられている」と自信を示した。

 ファウンドリー大手の量産体制に対抗するのは難しいなか、汎用品競争ではなく特注品といった分野に市場を見いだす考えだ。

 岸田文雄首相のビデオメッセージも紹介され、「トップランナーだった(日本の)半導体産業は厳しい冬の時代を経験し、今も国内のロジック半導体の生産は行われていない」と厳しい認識を指摘。その上で、有志国・地域と連携するとの展望や、支援加速の考えを示した。

 会見での主なやりとりは次の通り。

 東哲郎会長 最先端製品を作るだけでなく、地球環境にやさしい新しいタイプの工場、新しいタイプの街づくりも目指す。引き継ぐ世代が夢をもって明るく活躍できる場を形成したい。世界でなくてはならない国になるため、技術立国としての日本を復活させたい。

 鈴木直道知事 課題はあるが、経済安全保障上も大きな意義がある。人財が集まるのは大きなインパクト。(道は)データセンターを集積させるデータセンターパーク構想にも取り組んでいる。デジタルの好循環を生みたい。

(5日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)