2023.09.22 【部品メーカー商社ASEAN特集】カトーレック
カトーレックベトナム工場
ベトナムなどで生産を増強、受注増に対応
カトーレックは、EMS事業とロジスティクス事業を展開し、EMS事業が売り上げの約70%を占める。
EMSの製造拠点を国内(高松・松山)、中国(蘇州、広州)、ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、メキシコ(ティファナ、グアナファト)、インド(プネー、合弁)の合計9カ国12拠点を設け、主に日系企業を対象に事業を展開している。各工場は、多品種少量生産に対応するフレキシブルな生産体制と、世界いずれの工場で生産しても同一品質、同一サービスを提供するグローバルプラットフォームに位置付けている。家電・事務機器、車載機器、住宅設備、産業機器、医療機器、航空・宇宙と生産品も幅広い。
宇田昌弘取締役専務執行役員EMS事業本部長は「電子機器製造におけるファブレス化、アウトソーシング化は大きな流れで、顧客からの引き合いや受託案件も順調に増えている」と語る。受託増に対応してここ3年間、ベトナム、インドネシア、フィリピン各工場を拡張し、生産増強を進めてきた。中国からASEANへの生産シフト、地産地消などさまざまな背景からASEANを中心に各工場はフル生産が続いている。
今後の需要増に対応するため、国内でも新高松工場(高松市)を建設する。敷地面積約1万840平方メートル、鉄骨造4階建てで延べ床面積約2万1640平方メートル。2024年度末の竣工(しゅんこう)を予定している。現地企業との合弁で展開しているインドのEMS事業も新たな設備投資を検討している。
車載を中心とした回路設計、シミュレーション技術のアルティメイトテクノロジィズ(UTI社、長野市)の株式の83.7%を取得した。宇田本部長は「製造のみならず、設計も委託したいと言う顧客が増えている。UTI社の株式取得は製品開発の初期段階から試作、量産設計、製造まで一貫したEMSを目指す機能強化の一環。車載機器の受託が増え、今後はさらに拡大すると予測している。車載の場合は設計やシミュレーション技術が重要」と述べている。