2023.09.25 【九州・山口産業特集】九州への注目度が高まる 台湾貿易センター・王熙蒙秘書長に聞く
王秘書長
人的交流など今後盛んに アライアンスの候補
台湾貿易センター(TAITRA)は、日本のジェトロに相当する貿易振興機構で、本部は台北にある。日本では東京、大阪、福岡に事務所があり、台湾と日本の間の貿易振興と経済協力の促進を図っている。
福岡で開催された商談会会場で、王熙蒙秘書長に、台湾から見た九州と今後について聞いた。
九州と台湾は非常に歴史的にも深いつながりがあり、台湾は九州にとって輸出・輸入ともに第4位の国。元々貿易の面でも非常に密接な関わりがある。
九州は工業が盛んな地域で、自動車産業や半導体産業の生産拠点でもある。日本政府が政策として、今設けている半導体産業の二つの大きなエリアの一つが九州だ。今後、九州の半導体産業の中核になるのがTSMCだと思うが、このこともあって台湾では、熊本や九州への注目度が高まっており、半導体産業に関連した人的な交流もより盛んになってくるだろう。
9月からチャイナエアライン(中華航空)とスターラックス航空が、熊本と台北間の直行便を就航した。こういった例に表されるような交流が今後盛んになると思うし、頻度も高まってくると思う。
台湾人にとって九州というとやはり農産品、水産品といったイメージがあるが、ものづくり、工業の面でも九州は、台湾人にとって今後のアライアンスの候補として挙がっている。
台湾が進めている6大核心戦略産業には、バイオテクノロジー、グリーンエネルジー、精密機械などがある。九州が強い産業というとやはり自動車、半導体になるのではないか。
GXなど重視
台湾では今、グリーンエネルギーやカーボンニュートラルが非常に重視されている。11月9日からTAITRA主催で開催する「台湾エキスポinジャパン」では、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)を大きなテーマとしている。日本と台湾の今後のDX、GXの領域における相互に学び合う空間や、今後のアライアンスは非常に大きいものがあると考えている。
「台湾エキスポinジャパン」(TAIWAN EXPO)は11月9日から11日、東京都新宿区の新宿住友ビル三角広場で開催を予定している。