2023.09.26 日本アビオニクス、赤外線サーモカメラを設備保全に活用 LAN接続で遠隔監視、異常の予兆検知

常時遠隔監視に対応した赤外線サーモグラフィーカメラ「ネットワークサ―モN50シリーズ」

 日本アビオニクスは、物体からの赤外線放射量を温度に換算して可視化する赤外線サーモグラフィーカメラを産業保安に活用する取り組みに力を入れている。

 人手を要する従来型の巡回点検に対して、遠隔での定点常時監視でリアルタイムに状況を把握。事故を未然に防止して安全操業の維持への貢献を図る。

 発電所や変電設備、鉄鋼や化学プラントなど、設備の運転を停止してメンテナンスを行うのも容易ではない。こうした定期的な保全作業では、必ずしも必要ではないタイミングでの部品交換など効率的とはいえない実施状況が課題だった。

 日本アビオニクスが提案するのは赤外線サーモグラフィーの設備保全への適用だ。運転を続けたまま、電気設備の接触不良やモーターの異常発熱など事故につながる予兆を非接触で検知する。

 26日に発売したのは常時遠隔監視に対応した赤外線サーモグラフィーカメラ「ネットワークサ―モN50シリーズ」。PoEハブを介したLANケーブル接続で電源供給をしながら運用できる。Webブラウザからカメラの制御やモニタリングができる。

 現場の正確な状況把握に資するため可視カメラも内蔵した。サーモは夜間や悪天候時でも温度検知できる半面、発火箇所の特定などは難しかった。併用で可視画像もモニター画面に並べて表示して状態確認ができる。

 ネットワークサーモの活用で変電設備などで異常の予兆を早期に検知して、劣化に起因した故障への発展を防ぐことが期待できる。

 鉄道の架線や橋梁などのインフラも異常発熱を状態監視することで点検業務の負担軽減が図れる。
(25日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報しています)