2023.09.28 メタバース演習でサイバー攻撃に備え、DNPが有事の組織連携支援

大日本印刷が開発したメタバース演習のイメージ

 インターネット上の仮想空間「メタバース」で複数の部門が連携してサイバー攻撃に備えた動きを身に付ける―。大日本印刷(DNP)は28日、そんな演習コースを開発したと発表した。デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展を背景に企業や団体の情報セキュリティーを脅かす攻撃の脅威が増す中、平時から組織の対応力を磨く手段として注目を集めそうだ。

 DNPが企業や団体向けに開発したのは「組織連携コース_メタバース演習」。受講申し込みの受け付けを始めた同日、東京都新宿区のDNPプラザで記者発表会を開き、報道陣も演習を体験した。11月8日から、サイバー攻撃の対策要員を養成する「サイバーナレッジアカデミー」の新コースとして提供する。

 企業の場合、サイバー攻撃の影響で事業が継続できない事態に追い込まれるといったリスクに備える必要がある。メタバース演習には、そうした事象の発生時に適切な行動が求められる経営・マネジメント層のメンバーたちが、それぞれの役割に分かれて参加。有事に取るべき行動や組織間連携のあり方について習得する。

 4人一組で各人のパソコンからメタバースの演習室にアクセス。約2時間の机上演習を行う。場所の制約に縛られないメタバースの利点を生かすことで会場を準備する手間を省き、遠隔地からも演習に参加できるようになる。

 開発したコースを含めたセキュリティー関連事業の売上高で、25年度までに20億円の達成を目指す方針だ。

 (29日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)