2023.09.29 【業務用無線特集】アイコム モバイルIPフォン提案強化 学校などへ導入進む
IP210H(左)とIP200H
アイコムは、モバイルIPフォンの「IP200H」、新製品の「IP210H」に力を入れている。特にIP200Hは、学校で安全対策の観点から導入が進み、採用箇所が大幅に増えた。今後は各機器を組み合わせたソリューションとしての提案を強化する。
IP200HはIP電話にトランシーバー機能を搭載した携帯できる内線電話機。無線LANや携帯電話回線を活用することで、ネットワーク環境下のほか外出先でも内線・外線の送受が可能。同時に多くの端末に連絡できる同報性が強みで、複数人への迅速な情報共有を可能にした。
これらの特徴から学校など教育機関からの引き合いが強くなっている。同機の販売台数は1年間(2022年4月~23年3月)で学校向けだけで1700台を突破。昨年末時点で70校以上の学校で導入されている。
採用のポイントは①国の「GIGAスクール構想」で校内の無線LANの整備が進んだこと②学校の安全対策が強化されていること-の二つ。無線LAN環境での使用はランニングコストを抑えて運用することが可能。LTE回線も使用でき、校庭や外出先でも活用できる。
6月には姉妹機のIP210Hを発売した。アンテナや音声ツマミなど、普段から無線機を活用するユーザーになじみのあるインターフェースを採用。操作性や見た目の面でも、従来の無線機からの置き換えが可能。サービス業などでも活用できるという。
電話とトランシーバーの組み合わせで利用シーンが広がっていることで、複合的なソリューションとして提案する。
10月に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「危機管理産業展」に出展。同機のほか、IPの固定電話なども参考出品する。