2023.10.06 【高専生のための半導体特集】企業紹介 フェローテックホールディングス

 フェローテックホールディングスは、半導体・エレクトロニクス分野を中心に事業を展開するグローバルな部品メーカー。

 半導体等装置関連事業では半導体製造装置向けの治具・消耗材に使用されるマテリアル製品、真空シール・金属加工、部品洗浄サービスを、電子デバイス事業ではサーモモジュールやパワー半導体絶縁基板などを手掛けている。

好きな分野を突き進む

フェローテックマテリアルテクノロジーズ セラミックス事業部 石川生産ユニット 松村貴史氏

 同社グループのフェローテックマテリアルテクノロジーズのセラミックス事業部 石川生産ユニット所属の松村貴史氏は、石川工業高等専門学校を卒業。現在はマシナブルセラミックス加工などに従事している。

 -高専で学んだ内容や、入って良かったと思ったことは。

 松村氏 環境都市工学科で測量、構造力学、材料、環境について学んだ。良かったことは大学受験がないこと、そして、本格的な専門科目に入る4年ごろから実験・実地が増え、座学の内容がリアルに体感できるところがとても良かった。

 -入社のきっかけは。

 松村氏 入社面接時に超高精度の公差の図面を見て驚いた。この微細加工を体得したいと思い、微細加工希望で入社した。

 -仕事のやりがいは。

 松村氏 当社独自の材料を加工するため、加工条件は未知な部分が多いが、実験を通じ自分たちでより良い条件を発見できた時はとても楽しい。うまくいかなかった時でも材料への知識が深まり、そうした知見は自分の財産となっている。

 -社内の雰囲気や社風は。

 松村氏 石川工場(FTMT)は、入社当初は残業が多かったが、CTPM活動(改善活動)を導入しほぼなくなった。段取りもどんどん改善し、生産性向上を実感している。最初は無理と思ったことでも皆で試行錯誤し目標に到達するという、チームワークの良い会社だと思う。

 -高専での学習が業務に生かされていると思うことは。

 松村氏 われわれの業務は、実験を行い、結果を基に次の作業を考える、というプロセスを根気よく続けることが大切。そうした業務では構造力学などが役立っている。

 -高専生へメッセージを。

 松村氏 インターンシップが4年時にあり、良い経験になった。今も制度があれば是非活用してほしい。高専では自分の好きな分野を突き進んでほしい。

最初の一歩を踏み出す

フェローテックマテリアルテクノロジーズ 財務経理ユニット 江嶋智子氏

 フェローテックマテリアルテクノロジーズの財務経理ユニット所属の江嶋智子氏(財務経理グループ係長)は東京工業高等専門学校を卒業。現在は財務経理業務を中心に、総務や人事業務なども担当する。

 -高専で学んだ内容や、入って良かったと思ったことは。

 江嶋氏 工業化学科(現物質工学科)で分析化学、環境化学を専攻した。高専を選んだ理由の一つは大学受験がないこと。受験にかける時間を自分と向き合う時間にかけることができ、専門の分野に関しては大卒レベルの学力を身に付けることができると考えた。もう一つの理由は自由な校風。特に東京高専は制服もなく、本当に自由な雰囲気だった。

 -卒業後の経歴は。

 江嶋氏 研究職に就きたいと思い、新卒入社で塗料会社に就職した。配属先は電子材料部品の製造工場だったが、システム関連の業務に興味を示したところ、そうした業務にも携わらせてもらえる環境をいただき、システム関連の業務を一から勉強しながらさまざまな業務を経験できた。この時に得たスキルを売りに、その後のキャリアを形成してきた。

 -仕事のやりがいは。

 江嶋氏 兼務業務があり、担当も多岐にわたるので、ある程度、自由度と裁量を与えていただき、自主性を持った仕事ができている。当社の社風も、自由裁量が多く、自分が得意と思っていることを生かして効率良く仕事ができている。創意工夫したことが従業員の皆さんの助けになればいいと思う。

 -高専生へのメッセージをお願いします。

 江嶋氏 学生の間に趣味でもバイトでもいろいろなことに取り組み、さまざまな経験をしてほしい。特に趣味は、働き出すと時間がなくなるので、今のうちに最初の一歩を踏み出しておくといいと思う。人間としての魅力を上げ、幅を広げるためにも、興味があることはまず手を出してみることをお勧めする。