2023.11.10 ベネッセHDがMBOで上場廃止へ デジタル投資、「脱紙化」などで再構築

 ベネッセホールディングス(HD)は10日、MBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表した。スウェーデンが本拠の投資ファンドと組み、TOB(株式公開買い付け)を実施。ベネッセHDは非公開化し、デジタル投資を進めるなど事業を強化する。全株を取得した場合、買収金額は2700億円規模と、MBOとして過去最大級になりそうだ。

 デジタル技術などを事業モデルの根幹に据える「デジタルネイティブな企業」が、デジタルを駆使した新たな教育サービスの提供を開始し競争激化が見込まれることなど、国内教育事業の変化を踏まえ、事業を再構築する見込み。

 具体的には、テクノロジーに大きく投資してデジタル領域の先駆者となることを目指す。デジタル時代に適したプロダクトへの移行と UI/UX改善をさらに加速しつつ、マーケティングの「脱紙・デジタル化」の推進により、顧客獲得の効率化・増加を図る。

 また AIを活用したコンテンツ制作および既存業務の効率化を推進することで、過去に人力では高コストで提供できなかった個に最適化されたアダプティブラーニングをより安価な価格帯で提供することが可能になるとみる。

 テクノロジーへの投資と並行し、オンラインとオフラインを融合した事業を進展する。代表的なサービス「進研ゼミ」によるオンライン学習と学習塾によるオフライン学習の連携を促進させ、両事業を掛け合わせたサービスを実現する。

(14日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)