米アマゾン・ドット・コムが提供する低軌道衛星ブロードバンドネットワーク「プロジェクトカイパー」を巡り、NTTなどとスカパーJSATは、戦略的協業に合意した。高い信頼性と広範囲のカバーエリアを実現する。カイパーを巡って、アジア太平洋地域では初の戦略的協業。スペースXに対抗する動きが広がりそうだ。

　アマゾンと、NTTやNTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、スカパーJSATが発表した。NTTとスカパーJSATは、日本の企業や政府機関・自治体にカイパーを提供する。NTTグループは自社やグループでも活用する。

　たとえば、山間部や島しょ部などを含めた、これまでサービス提供が難しかった地域で自社のコアネットワークと接続し、提供エリアのさらなる拡大が可能となる。企業や政府機関・自治体は、これまで通信環境の確保が難しかったエリアで、農林水産業でのIoT活用や、建設機械の遠隔操作なども容易になる。

　加えて、顧客はAWSのクラウドサービスにアクセスし、AIや機械学習などの最先端のテクノロジーを利用できる。

　アマゾンは2024年下半期から、一部の顧客やパートナーを対象に、ベータテスト版サービス提供を開始予定。NTTやスカパーJSATは協業の一環として、この試験に参加する予定だ。
（1日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です）