2023.12.21 台湾TSMC 劉会長が退任 後任は魏CEO、経営路線維持の見込み

アリゾナの拠点の式典であいさつする劉氏(ホワイトハウスの動画から)

米イエール大で登壇する魏氏(同大の動画から) 米イエール大で登壇する魏氏(同大の動画から)

 台湾TSMCは19日、劉徳音(マーク・リュウ)会長(董事長)が、2024年の定時株主総会後に退任すると発表した。後任には魏哲家(シーシー・ウェイ)CEOが就任する予定。魏氏は副会長を兼務している。同年6月の取締役会を経て、人事を正式決定する。経営路線に大きな変更はなく、維持される見込み。同社が進める海外展開などに新しい体制で臨むことになる。

 劉氏は1993年、TCMCに入社。カリスマ創業者である張忠謀(モリス・チャン)氏が18年に引退した後、会長に就任し、主に対外的な顔となる代表を務めた。

 一方、魏氏がCEOとして内部の運営や戦略づくりを指揮。両者で連携して経営に当たってきた経緯がある。在任中は、コーポレート・ガバナンスと競争力の強化に注力。台湾で発展してきた同社の米国や欧州、日本への進出など世界での展開にも当たってきた。

 退任発表で劉会長は「TSMCでの30年間は、並外れた旅だった。才能のあるチームに心から感謝する」とコメント。「伝説的な創業者であるモリス・チャン博士の後の会長を務められて光栄。家族ともっと時間を過ごし、人生の次の章を始めたい」とした。

 後任の魏氏は英アームとの提携やクアルコム、エヌビディア、アップルなどスマートフォン関連の顧客獲得を含め、業績を上げてきた。今後、会長としてこれらパートナーとの連携を進めるほか、米欧日などで進める投資でも、各国政府との交渉などに当たる見通し。

(21日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)