2023.12.23 「光輝く東芝を再び」 島田社長が新体制で方針 成長軌道への回帰に意欲

報道各社の共同インタビューに応じる東芝の島田社長=東京都港区

 日本の社会インフラや経済安全保障に深く関わり、2025年に創業150年を迎える名門企業の東芝が、成長軌道への回帰に向けた一歩を踏み出した。島田太郎社長執行役員CEOは新たな経営体制を発足した22日、東京都内で報道各社の共同インタビューに応じ、「光輝く東芝を再び取り戻したい」と意欲を示した。

 同日、株式の上場廃止後に発足した新体制の下で最初の取締役会が開かれた。取締役7人のうち、続投する島田社長以外は、東芝を買収した国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)と出資企業からの人員で構成される。

 島田社長は「安定的な経営基盤を持つことで、事業に集中して顧客のニーズにしっかりと対応したい」と述べた上で、新たに取締役に就任した6人の経験や知見を生かして企業価値を高める考えも示した。

 島田社長は次の100年を見据え、「世の中に全くない製品やサービスを創造することで大きな利益を上げ、それを将来に再投資できるようにしたい」とも強調。続けて、「徹底したデジタル化を進めて、データで稼げる会社に変身し、さらに量子の世界で世界をリードしていきたい」と述べた。国内外を問わず成長領域や利益が大きい領域に資源を最適に再配分する方針も示した。

 さらに、新たな成長戦略を実行するための社内改革も進め、早期にROS(売上高営業利益率)で10%を達成することを目指す方針も表明した。

 社内改革で視野に入れるのは、時代のニーズに即応しやすい「階層の浅いフラットな会社」だ。まずは四つの分社体制を実質的に廃止。島田社長が同日付で、東芝エネルギーシステムズや東芝インフラシステムズなど子会社4社の社長を兼務する体制に移行した。今後は4社の法人格の統合を含め、最適な事業運営体制に向けた検討を進めていく。

(25日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)