2023.12.26 JBMIA、事務機の世界需要予測  23年に大判プリンターなど大幅増加

宇都宮

 パナソニック系の電ねっとナガシマ(栃木県栃木市、長島篤社長)が、冬のパナソニックフェアを開催した。豚汁などの料理の提供や、商品を体験できる展示で、お客が楽しみながら商品を購入できる個展となった。

 ビジネス機械・情報システム産業協会(真茅久則会長、JBMIA)は、このほど全世界市場を対象とした事務機械の出荷動向をまとめた。2023年の総出荷金額見込みは、2兆3975億円で、前年比98.6%となり、22年の122.1%から微減に転じた。24年は、同横ばいの2兆4127億円の予想。23年は、全世界出荷金額の約3分の1を占める複合機・複写機の減少が影響した。

 22年の事務機械の全世界出荷金額は、半導体不足による生産への影響が前半まで継続したものの、後半からは世界経済が徐々にコロナ禍の影響から脱却し始めたこともあり、前年比122.1%。このうち、国内が同105.5%、海外が同125.6%と増加した。

 コロナ禍で生じていた部材調達の問題が、後半からは徐々に解消に向かうことで各製品の生産回復がみられ、販売活動の制約や商談延期などによって抱えていたバックオーダー分が、年末にかけて解消されていったことが増加要因として挙げられるが、為替影響も大幅な伸びに寄与した。

 23年は世界経済は、国や地域によるばらつきはあるものの、新型コロナの経済停滞はトータルで見ると脱却し、成長基調に回復してきている。23年の事務機械の全世界出荷金額は前年比98.6%の見込み。このうち、国内が同101.2%、海外が同98.1%。

 事務機械の全世界出荷金額の約3分の1を占める「複写機・複合機」の減少見通しの影響が前年割れの大きな要因。22年後半から開始されたバックオーダーに対処するための増産が結果的に在庫過多を招き、23年前半まで在庫調整が継続したことが響いている。

 海外が23年の実勢レートにおいて為替影響がさらに増すと想定される中、品目別では、「大判インクジェットプリンター」「ECR/POS(金銭登録機)」が大幅に増加見込みの一方、「複写機・複合機」「ページプリンター(SFP)」「データプロジェクター」「シュレッダー」の4品目は、全世界出荷金額が減少に転じる見込み。

 24年は、前年比100.6%。このうち、国内が同97.6%、海外が同101.2%の予測。品目別では「ページプリンター(MFP)」「ビジネスインクジェットプリンター」「ECR/POS」は、継続してプラス成長、複写機・複合機は横ばいの見通しだ。