2024.01.01 【AV総合特集】各社の24年事業戦略 モトローラ・モビリティ・ジャパン 仲田正一代表取締役社長
昨年は、折り畳み式スマートフォンのフラッグシップ機「motorola razr 40 ultra」を8月に発売したほか、11月には価格を抑えた折り畳み式の「motorola razr 40」も投入し、当社は幅広いレンジで製品展開できるということを示すことができた。モトローラの存在感を高める充実した一年だったと言える。ただ、まだまだ認知度が足りないと思っている。
中高年層にとっては、モトローラという社名はかなり知っている人も多いと思う。今では「ガラケー」と呼ばれるフィーチャーフォンが主流だった時代に「razr」という端末でヒットし、テクノロジーとデザインの両面で高い評価を得ていたからだ。
しかし、その後は日本での展開が下火となり、日本市場で再び端末を販売するまで間が空いてしまった。そのため、特に若い人の認知度が低いと言わざるを得ない。
ここ2、3年でスマホを次々と投入し、新しいモトローラのブランド価値を創りつつ、今後、日本市場でどうあるべきかを模索してきた。
日本市場で成長するためには防水やフェリカへの対応が必要など、製品仕様におけるグローバルでの理解を得たり、通信キャリアとの関係を構築したりしながら、成長に向けた土台をつくってきた。
今年は、その築いた土台を生かして、成長にドライブをかける勝負の年になる。
第一に必要なのは、「モトローラブランド」を高めることだ。特に若い人への認知度を高めるために、ゼロベースで考え、リブランディングしていくことが大切と考えている。プロダクト中心の訴求でファンをつくるだけでなく、共感できるメッセージを発信することも重要。そのためのさまざまな施策を試したいと思っている。
これまでスマホはキャンディーバー状の端末が中心で、フィーチャーフォン時代のようなデザインの選択肢が少なかった。手ごろな価格で折り畳み式スマホを手に入れられるようにすることで、スマホのデザインを選ぶ楽しさも提案したい。それを実現するために、レノボグループによるグローバルでの調達力も生かしていく。
私は昨年12月1日付で社長に就任し、iモードの海外展開などNTTドコモでの経験を生かすことが期待されている。日本では、チャレンジングな成長目標を掲げており、飛躍するためにも、さまざまなパートナーとディスカッションを進めているところだ。今はソフトバンクと良好な関係を築いているが、他の通信キャリアへの採用拡大も進めていく。
スマホを長く使ってきた人にとって、画一的なデザインの今の状況は決して面白くないはずだ。折り畳み式スマホが出てきたことで、これまでと違い、面白くなってきたと思う。スマホに限らず、今後も多彩な端末をモトローラブランドで出していけば、日本市場で新たな世界を開けるはずだ。
日本のスマホ市場は転換点に来ていると言え、そうした中で当社が存在感を発揮できると思っている。