2024.01.09 【製造技術総合特集】製造装置 主要各社の24年戦略 東芝インフラシステムズ
岡庭 技師長
総合力を生かす新体制を構築
新製品の積極投入に注力
東芝インフラシステムズ(TISS)は産業分野のDXを推進し、顧客のスマートファクトリー実現を支援している。昨年には東芝グループの総合力を生かせる新たな体制を構築し、顧客の求めるスマートな製造現場を実現する。
製造業のDX化が進む中、同社はかねて東芝デジタルソリューションズ(TDSL)と連携し、顧客の求めるソリューションを提供してきた。この取り組みを加速するため2023年4月、両社内に「スマートマニュファクチャリング事業部」が設立された。両社が一体となった事業運営を行うことで、製造業向けのITとOTのソリューションをワンストップで提供できる。
スマートマニュファクチャリング事業部の計装ビジネスユニット統括責任者である岡庭文彦技師長は「組織変更により、IT領域を得意とするTDSLとOT領域で技術力とノウハウを持つ当社の連携が一層深まり、一体感を持ってスピーディーに事業展開ができるようになった。両社の製品を組み合わせてパッケージ化した製品も生まれ、導入事例も出始めた。パッケージ化することで外部のSIerにも扱っていただき、販路拡大にもつなげたい」と話す。
新製品の投入も昨年後半から加速している。23年10月に発売したスリム型産業用コンピューター「FA2100TX Model 700」は、24時間連続稼働を前提とした設計と長期供給など産業用コンピューターの特長を保ちながら、従来機種に比べて処理能力が2倍向上した。
24年以降も新製品を積極投入する計画。1月下旬に開催されるIIFESでは、ラックマウント型産業用コンピューター「FR2100TX」(仮)やユニファイドコントローラーVmシリーズ「typeL」を出品する。typeLはソフトDCSとして機能し、IT領域とOT領域を円滑につなぎ制御を行う。
岡庭技師長は「昨年、一昨年と部材不足の影響もあり、新製品投入が計画通り進まなかった。24年は積極的な新製品投入とスマートマニュファクチャリング事業の活動を本格化させ、製造業のスマート化・DX化を推進していく」と意気込む。