2024.01.16 【半導体/エレクトロニクス商社特集】コアスタッフ 戸澤正紀社長
戸澤 社長
物流体制強化し新サービス拡充
コアスタッフはWeb販売と従来型の営業を組み合わせたハイブリッド営業を強みに、事業拡大を続けている。Web販売で集めたデータを営業活動に生かすなど、営業におけるDXを加速。国内外での物流体制強化による新サービスも拡充し、ビジネス拡大につなげる。
「2023年は好況に沸いた21、22年の反動を受け、半導体・電子部品市場は停滞した。在庫過多の状況は続いているものの、少しずつ改善し始めている」と話すのは戸澤正紀社長。生成AI投資の増加とともに、広帯域メモリー(HBM)の需要も拡大しており、半導体製造装置・検査装置への投資も強まっている。
こうした明るい兆しを背景に、24年は積極的な営業に取り組む。従来、同社の営業体制は①顧客とのやりとりを担当するインサイドセールス②従来型の営業を担当するアウトサイドセールス③受発注や納期管理を担当するオペレーション—の3部門に分かれていた。昨年からインサイドセールス担当者が、アウトサイドセールス担当者とは別に単独で顧客訪問する取り組みを開始。顧客のニーズをよく知るインサイドセールス担当者が訪問することで、新たなビジネスが生まれるなど成果が出始めた。
昨年から国内外で進めている物流体制の強化も着実に進む。1月にドイツのオフィスを移転。新オフィスは物流倉庫を備え「余剰在庫削減サービス」を提案できる。同サービスはほかの海外拠点(香港、深圳、米国、タイ)でも提供しておりアジア、北米、欧州の各地域でサービスを提供できる体制が整った。
7月には長野県佐久市に現在建築中の新物流センターが完成し、秋からの稼働開始を予定する。新物流センターが完成すれば、課題の多い物流業務と購買業務を組み合わせて受託するサービス「PLOS(プロキュアメント・ロジスティック・アウトソーシング・サービス)」を充実させることも可能となる。
戸澤社長は「人手不足により物流・購買業務は多くの問題を抱えている。物流代行や購買代行など、今後顧客ニーズはアウトソーシングに移っていくと考える。当社が購買と物流両面のハブとなることで、新たな価値を提供したい」と話す。