2024.01.17 【計測器総合特集】計測器 24年の戦略 各社トップに聞く テクシオ・テクノロジー 高岡秀臣社長

高岡 社長

パワエレやバッテリー関連に注力

 テクシオ・テクノロジーは、自動車を含むパワーエレクトロニクスやバッテリー関係の投資が堅調で、2024年も引き続き両市場に注力する。

 昨年、各国のスタッフで構成するソリューション提案の専門チームが始動。バッテリーマネジメントシステムを評価する多チャンネル直流安定化電源「PMSシリーズ」を発表した。バッテリーの高電圧化に対応し、旧モデルをリニューアル。最大1000Vまで使用可能だ。

 昨年4月に就任した高岡秀臣社長は「システム提案ができる体制が整ってきた。ワールドワイドに展開することを考えてリリースした」とチーム第1弾の製品に期待をかける。

 回生双方向電源を活用した電池の充放電システムはソリューション製品の第2弾。高岡社長は「単体売りではなくアプリケーションソフトを付けて、セルやモジュールに対応した評価システムの提案に力を入れる」と話す。

 これ以外にも昨年は多くの新製品を投入した。モジュールタイプのデータ収集システム「DAQ-9600/9600G」や軽量コンパクト大容量DC電子負荷装置「LSCシリーズ」は特に押し出したい商材。高岡社長は「価格面でも競争力のある製品で伸ばしていきたい」と期待する。

 販売体制も新機軸を打ち出した。

高岡社長

 「特別販売チーム」は案件の中の受注確率を高めるため営業や技術など部門横断的に構成する。

 単純に価格とスペックを伝えるだけではなく、提案型製品も増えてきており、各営業所から参加するメンバーで毎月ミーティングを実施し、顧客ニーズなどの情報共有に努めている。交流電源に精通した技術者が参加したことで拡販につながったケースもあるという。

 高岡社長は「家電やFA、事務機など向けで少しずつ交流電源が成果になって出てきている」と手応えを語る。

 投資が盛んなパワエレ、電池市場は引き続き注力分野。

 27年度を最終年度とするグループ中期経営計画の達成に向け、「他社との協業も図りつつ、さらに高付加価値のシステム製品の提案を強化したい」と意気込む。