2024.01.24 万博推進本部が会議 ノーベル賞受賞の吉野氏が吉村知事、横山市長と意見交換

万博に向け、3者の意見交換も行われた。右から横山市長、吉村知事、吉野氏

 大阪府・大阪市が設置する「2025年大阪・関西万博推進本部」は24日、大阪市中央区の大阪シティ信用金庫本店内で第8回会議を開いた。2019年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏(リチウムイオン電池材料評価センター理事長)、吉村洋文知事、横山英幸市長が出席し、意見交換した。

 会議では、吉野氏が「2025年の重要性」と題して講演。吉野氏は「2050年のゼロカーボンに向け、25年の万博は極めて重要な役割を果たすことになる」と強調。「世界中の研究者を含め、様々な立場から地球環境問題の解決に向けた取り組みが進んでいる。問題は、そのうちの何パーセントが日本からの発信かということだ。産業構造が変化し新たな産業が生まれる中で、その新産業に参画できるのは、開発段階で貢献してきた国となる」と指摘した。

 その後、吉野氏、吉村知事、横山市長が意見交換した。吉野氏は「万博で、行政にぜひ検討いただきたい」として、「未来社会に向けた問題提起によって、子どもたちが不安を抱かないようにしてほしい。人類は、深刻なオゾン層破壊という危機を技術によって乗り越えたといってよい。知識や技術によって危機を乗り越えられるという期待感を、子供たちが持てるよう情報発信してほしい」と要望を述べた。

 吉村知事は「万博に向けた議論では、どうしても目の前の課題に関心が集まる。未来社会に向けた広い視点で議論できるようにしたい」と語った。

 横山市長も「子供たちにも伝わる情報発信が必要だ。問題提起だけでなく過去の成功体験を含め、共有していく」と話した。

 (後日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)