2024.01.31 「ポケットに入る」超小型MRデバイス キヤノンが1、2年で投入

コンセプト機を披露した

 キヤノンは、複合現実(MR)など最新の映像ソリューションを展開している。その一環で、映像関連技術を結集して超小型MRデバイスのコンセプト機を開発、1、2年以内の市場投入を目指す。いわば「ポケットに入るMR」という趣向。「CES 2024」で披露した。

 披露されたMRデバイスは、ステレオカメラやステレオファインダー、映像エンジンDIGICなどのキーパーツで構成する超小型ヘッドマウントディスプレー。キヤノンのカメラ開発技術を結集し小型化を実現した。

 搭載するステレオカメラの映像で、MRを実現。表示部の解像度は片目当たりフルHD相当で、瞳孔間距離(IPD)の調整にも対応する。カメラ機能として、静止画を撮影することも検討している。

 寸法・重さは、長さ(幅)10センチメートル以下、厚さ2センチメートル程度、重量50グラム以下となっている。手に取ってみると全く持ち重りがしない。こうした特徴は、本体にバッテリーを搭載せず、小型軽量を追求したことで実現した。有線ケーブルでスマートフォンやタブレットと接続し、電力供給や映像の伝送などをするコンセプトで、持ち運びがしやすい。いわばスマホの付属品を持ち歩くイメージだ。メガネ型にしたり手持ち型にしたりといった各種用途にも対応できる。

 コンセプトモデルの展示品は稼働品でハンズオンが可能。ブースではデモとして、キヤノン製カメラEOS R5をオンラインで購入する際に、製品をリアルサイズで確認できる体験をしてもらった。EOS R5の実機と3Dモデルとを見比べることができた。

 MRは民生だけではなく産業でも活用が広がる。例えば、ものづくりの現場で3Dモデルを活用した、問題点を早期に洗い出す「フロントローディング開発」などでも一翼を担う。建設現場で完成後の姿を共有したり、新しい購入体験を提供したり、臨場感あるスポーツ選手の動きを共有したりできる。

 ただ、デバイスの装着は一つのハードルになっており、同社はこのソリューションで一段の普及を図る構えだ。

(1日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)