2024.02.01 パナソニック 空質空調社、伊空質空調メーカーのイノーバ社と資本業務提携
イノーバ社の住宅用ファンコイルユニット(左)/全熱交換換気システム(右)
パナソニック 空質空調社は、イタリアの空質空調機器メーカーINNOVA社(イノーバ社)と資本業務提携契約を締結し、パナソニックはイノーバ社発行済株式総数の40%を取得した。取得金額は非公表としている。
今回の提携により両社は、住宅用給湯・空調・換気事業で、技術開発を中心に、生産、販売などの分野で包括的な協業を推進。両社の技術を融合させた共同開発のシステム(水循環型空調・給湯・換気システム)を、2年以内に欧州市場に投入する考えだ。
欧州では、環境保護や気候変動対策への関心が強く、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進んでいる。省エネなど環境対応製品への需要の高まりに加え、空調機器の冷媒として温室効果の高いフロンガス排出規制も強まっている。
このため欧州の住宅では、既存の給湯・暖房用水配管を無駄にせず、これらを活用した給湯・空調の最適化システムや、外観や室内空間を意識したデザイン対応が重要となっている。
イノーバ社は、住宅用水循環型機器のファンコイルユニットや全館換気システム(全熱交換器)、一体型全館空調などをそろえ、IoT制御により最適な空調・換気制御を実現するほか、デザイン性にも優れた機器の開発が得意だ。売上高は22年で約160億円強で、市況が厳しい中でも売り上げを伸ばしている。
パナソニックは欧州空調事業を強化する上で、欧州で今までラインアップがなかった換気機器もそろえられることになる。両社の強みを融合することで、他社にない住宅の空調・給湯・暖房トータルシステムの提案が可能となる。
パナソニック 空質空調社の小松原宏常務 兼HVAC欧州事業部長は「両社のリソースを融合した新たなシステム商品の開発を図り、差別化を図っていきたい」と話す。
(2月6日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)