2020.04.17 日本アビオニクス 赤外線サーモとAI顔認証技術と連動、発熱をスクリーニング

ポータブルタイプでは最高性能の「インフレック R550シリーズ」

スクリーニングのイメージスクリーニングのイメージ

カメラとコントローラを分離できるF50シリーズカメラとコントローラを分離できるF50シリーズ

 日本アビオニクスは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、赤外線サーモグラフィカメラを使った発熱者の体表温度スクリーニングのソリューション提案を強化している。

 建物の入り口や受付などに装置を設置し、非接触で発熱者を瞬時に検知。入場や出社を制限することで、二次感染防止の効果が期待できる。人工知能(AI)を用いた顔認証技術と連動して、従業員の体調把握やセキュリティ対策への応用など、さらなる展開を見据える。

 サーモカメラで屋内に入る人の体表温度をチェック。設定値よりも体温が高い人を即時に検知してアラーム音で告知。感染症の症状の特徴である高熱の人を選別して入室を断ったり、帰宅や受診を促すことで感染の広がりを防ぐ。

 スクリーニング対応の推奨機種の一つとして「インフレック R550シリーズ」は、ポータブルタイプでは最高性能を持つ。

 被写体を捉える「サンプリング」の速度が最速120ヘルツの高速撮影が可能で、動いている人の温度計測ができる。

 細かな温度差を見分ける性能を示す「温度分解能」も0.025度と高精度を備え、わずかな温度差を鮮明に捉える。対象物を複数同時に測れるのが特徴で、スタジアムや空港のゲートなど、多人数が一度に入場する場面で効力を発揮する。

 「サーモフレックス F50シリーズ」は、カメラとコントローラを分離できるタイプ。カメラヘッドを本体に装着して受け付け台に置き、来訪者のセルフチェックで使ったり、取り外して自由な方向から計測することもできる。

 推奨製品の中では最も低価格の機種で、一対一対応での簡易的な運用場面で手軽に導入することができる。

 そのほか、「R550」の下位機種「R450シリーズ」の計3製品を推奨機種としてそろえた。ソリューションを提供する際には、照明などの高温物による誤検知回避も考慮した計測領域の設定も行う。

 3月には、AI開発ベンチャーのフューチャースタンダードと「発熱者スクリーニングソリューション」の共同開発も開始。

 顔認証AIを組み合わせ、登録した対象者の平常体温をサーモグラフィで計測した表面温度と照合する。

 不特定多数の発熱検知に加え、社員の中長期的な体調管理に活用できるほか、オフィスのドアやゲートと連動すればセキュリティ対策にもなる。AIとの連携に向けた取り組みの一つで、製品化を目指す。

 同社では感染拡大への危機感が本格化した2月から、製造業のほか、病院、バス・タクシーなどの交通関係、テーマパーク、ショッピングモール、スポーツ団体など様々な分野からスクリーニング対応製品への問い合わせが増加。

 自社サイトの特設ページへのアクセス数も従来比40-50倍に急増した。3月からは福島県郡山市の工場の生産能力を増強しての対応が続いている。