2024.02.27 データセンターは「AI工場」に エヌビディアのフアンCEO 対中規制で製品群を見直し

イベントに登壇したフアンCEO

 米エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは先週の決算会見で、データセンター(DC)事業は、AI(人工知能)を生み出す「工場」としてさらに需要が高まるとの見方を明らかにしたほか、増産に意欲を示しつつも当面は需要過多が続く可能性を示唆した。

 DCについて、フアン氏は「単にデータを計算・保存・提供する場ではなくなった。AIをつくる『AIファクトリー(工場)』になっている。データという生の材料を基に、AIスーパーコンピューターでそれらを変換させ、信じられないほど貴重なトークン(貨幣、象徴)に変えることができる」と指摘。

 「言語や歴史、文化が異なる各地域が、自分たちのデータを守ってAIを活用するため動いている。生成AIは新しいアプリケーションスペースになり、計算を行う全く新しい方法、全く新しい産業が形成される」と展望した。

 ただ、供給制約については「当社のサプライチェーン(供給網)は素晴らしい支援を進めており、ウエハーやパッケージなど供給は全体的に向上している」としつつ、「最善の努力をするが、新製品について短期間で需要に追いつく方法はない」との見方を示した。

 中国市場については「米政府は、高度な計算や最新のAI向け製品について輸出を制限しており、この制約の範囲内での成功を望んでいることになる。私たちはすぐに規制を理解し、製品群(ポートフォリオ)を見直し、サンプルの出荷を始めた。規制に従って成功しようとしている」とした。

(27日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報しています)