2024.03.22 【九州・山口産業特集】i‐PRO ウエアラブルカメラ4月に国内販売 北米で実績、高堅牢性

WV-BWC4000UX

 業務用ネットワークカメラや監視カメラを手掛けるi-PRO(東京都港区)は、北米で多数の導入実績がある堅ろう性の高いウエアラブルカメラ「WV-BWC4000UX」を、国内でも4月に発売する。

 ウエアラブルカメラは、民生用は工場や建設工事など現場の状況確認に利用され、最近ではカスタマーハラスメントから守るために警備員や駅員など従業員自身に持たせるケースも増えている。公共用は、国内で警察のほか刑務所などでの検討が進む。

 同社は北米で2000年代からウエアラブルカメラを発売。州警察署をはじめ行政区の警察署、ハイウエーパトロールなど累計700顧客で導入され、改良を重ねて現在の形になっている。

 国内ではプライバシー上の問題が懸念されていたが、最近は監視カメラや録画への社会的な許容度も高くなり、身を守るエビデンスにも利用されるようになってきたことから、昨年テスト販売を実施。ユーザーの意見を踏まえて国内への導入を進める。

 WV-BWC4000UXは米国防総省制定MIL規格をクリアしており、堅ろう性が非常に高い。12時間持つバッテリーは分離式で、バッテリーを交換すれば24時間など長時間の継続使用も可能だ(バッテリーのみのチャージャーは6月発売)。メード・イン・ジャパンで兵庫県で生産されている。

 監視カメラメーカーならではのレンズとセンサーを生かし、水平画角137度・垂直79度の広角で、近接して周辺映像まで撮影できる。マイクは四つあり、米国でのクリアな音声への需要に対応してバージョンアップしてきた。誤動作しにくい大型ボタンを前面に付けたのも、動作の邪魔にならないようにという理由で、UI一つとっても設計にこれまでのノウハウが反映されている。

 ストレージは128ギガバイトと他社に比べて大容量で、ビデオコーデックは最新のH.265を採用。セキュリティー面も重視し、米国政府納入基準の暗号モジュールを備え、SDカードは分解しないと中から取り出せない。盗難や、壊してSDカードを持ち出されたとしても再生できないようになっている。

 同製品は外部レコーダーなどとは接続することなく単独運用。レコーダーやクラウドとの接続の要望もあり、一つのレコーダーやクラウド上で固定カメラとウエアラブルカメラを使って検索するなど、i-PROの持つシステム連携との展開も考えられる。

 横光澄男ディレクターは、今後需要が高まっていく中で「監視の総合メーカーならではの、ほかにはできないインテグレーションで貢献していきたい」としている。