2024.03.22 オムロンとユビ電、EV充電機を開発 小区画の駐車場に設置

ウィーチャージエッジのデモ

(左から)オムロンの岡孝則新規事業推進部長、ユビ電山口典男社長、ユビ電白石辰郎COO(左から)オムロンの岡孝則新規事業推進部長、ユビ電山口典男社長、ユビ電白石辰郎COO

ユビ電白石辰郎COOユビ電白石辰郎COO

ユビ電の山口典男社長ユビ電の山口典男社長

オムロンの岡孝則新規事業推進部長オムロンの岡孝則新規事業推進部長

 オムロンとEV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリッド車)充電サービスのユビ電(東京都港区)は集合住宅の小さな駐車場に設置できるスマートコンセント「WeCharge EDGE(ウィーチャージエッジ)」を19日に発表した。EVやPHVに乗る居住者がスマートフォンで操作し、充電分の電気料金を支払うことで乗らない人と負担を公平にする。

 ユビ電はソフトバンクの社内ベンチャーとして始まり、2019年に会社設立。オムロンは2022年から充電コンセントに後付けするプラグ型の開発でユビ電と協業。10区画以下の駐車場に低コストで設置できる今回の新製品を実現した。

 ユビ電の山口典男社長は「EVと充電環境は鶏が先か卵が先かと言われるがわれわれは充電環境が先と考える」と語り、設置先を広げる意義を強調。夜間などに自宅の駐車場で充電すればガソリンスタンドに寄る手間を省ける便利さでEV普及を後押しできると自信を示す。

 白石辰郎COO(最高執行責任者)は分電盤型と合わせ「2027年までに15万口の導入を目指す」とした。駐車場1区画にスマートコンセント1口を置くと、全国で15万台のEV・PHV充電を同時に担える計算。目標達成に向け製品化の速さも重視し、オムロンの岡孝則新規事業推進部長は「10カ月で開発した」と打ち出した。

 オムロンが持つ「EV充電用スマートプラグモジュール」を活用し、片手で持てる筐体に3.2キロワットの充電オン・オフ機能とLTE-M方式の無線通信機能を収めた。

 外形寸法は153×63×43ミリメートル。既設の充電設備内に設置すれば機能を更新でき、休止設備の再開にも役立つ。メンテナンスフリーで導入側の負担も少ない。

 経産省が2022年度から開始した「特定計量制度」に準拠し、充電時間でなく使用電力量に応じて正確に課金できるのも特徴。

 より短時間で充電できる充電6.4キロワットのモデルも検討中で「技術的課題はなく需要を見きわめたい」(ユビ電山口社長)とする。
(25日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)