2024.03.27 【関西エレクトロニクス産業特集】10メートル法大型電波暗室2基を4月操業 KEC関西電子工業振興センター

けいはんな試験センターE3ラボ

第16電波暗室第16電波暗室

第15電波暗室第15電波暗室

竣工式のテープカット竣工式のテープカット

竣工披露宴であいさつする小川会長竣工披露宴であいさつする小川会長

第16電波暗室、最新EMC国際規格に適合

最大40ギガヘルツの試験環境提供

 KEC関西電子工業振興センター(小川立夫会長=パナソニックホールディングス執行役員グループCTO〈最高技術責任者〉)は、関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市、京都府精華町)に建設した10メートル法大型電波暗室2基の操業を4月4日に開始する。同センターのホームページなどで利用申し込みを受け付けている。

 けいはんな学研都市の電波暗室を備えた同センター第3棟目として、国際電気基礎技術研究所(ATR)横のATR敷地約8000平方メートルに第1期工事として2022年6月に着工、24年1月に竣工(しゅんこう)させた「けいはんな試験センターE3ラボ」に事務棟(延べ床面積600平方メートル、2階)とともに新設した。

 1基は、国内初の最新EMC国際規格「CISPR16-1-4:2023」に適合した「第16電波暗室」(W18×L27×H11.4メートル)。急速に需要が拡大しているEV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリッド車)用急速充電器などのパワーエレクトロニクス応用機器や、30メガヘルツ未満で動作する交通系ICカード・非接触充電器などの無線通信機器、最大40ギガヘルツのEMC試験環境を提供する。9キロ~30メガヘルツにおける理論値に対する測定誤差をプラスマイナス4デシベルに抑えた。

 また、最新半導体素子を活用したコンパクトで大電力の最新電源設備の導入により、3相交流360kVA、直流1500V/80kWの供給が可能。100%逆潮流にも対応した。高耐久性のスリップリングを採用し、大電力をターンテーブル上の試験機器に安全、確実に供給できる。

 搬入口を4.5×4.5メートル、ターンテーブル直径7メートルに広げ、ターンテーブル耐荷重も10トンに増やしたので大型重量機器・装置の測定が可能。工業・科学および医用機器の国際規格CISPR11で大幅に増える試験項目にも対応する。

 第16電波暗室とともに、900立方メートルの排気能力のあるダクトを備え、内燃機関を持つ自動車、建設機械のEMC試験も可能だ。

 操業を前に21日、会員企業のトップらを招き、竣工式・電波暗室見学会・竣工披露宴を行った。

 小川会長は「EMC試験はますます進化、複雑化し、そのスピードは上がっているが、それに追従しながら、その先を行く電波暗室が完成した。関西はもちろん、全国からも使ってもらえると期待している。1社では持てないEMC試験設備を、けいはんな学研都市の地で共有の社会資本にして日本の産業界に貢献させていきたい」とあいさつした。