2024.03.26 マイボトルの利用定着へRFID活用 サトーと象印、カフェで実証実験スタート

マイボトルに取り付けるRFIDを紹介するサトーの坂上さん=26日、東京都港区のサトー本社

専用の洗浄機を使うとマイボトルの利用状況がデータ化される専用の洗浄機を使うとマイボトルの利用状況がデータ化される

 タグやラベルを活用した自動認識技術を手掛けるサトーホールティングスは4月から、調理家電製造の象印マホービンとともに、RFID(無線周波数識別)技術を活用してマイボトルの利用定着に向けた共同研究に着手する。マイボトルにRFIDタグを付け、カフェで飲み物を購入する前に、タグを読み取る装置を搭載した専用のボトル洗浄機を利用してもらい、洗浄回数データからマイボトルの利用状況を把握する仕組み。マイボトル利用を習慣化することで環境への意識変化を促すのが狙いだ。

 きっかけは、サトー本社(東京都港区)のカフェのごみ箱がプラスチックカップであふれていることに、同社T4Sビジネスラボの坂上充敏さんが気付いたことだった。企業として、台紙のごみが出ないラベルを作り、不要プリンターの再利用などに取り組みながらも「従業員が出すプラスチックごみには未着手だった」(坂上さん)と社内の状況を調査。社内のカフェでは、年間約2万5000のプラカップ(二酸化炭素換算で約2トン)が廃棄されていた一方、マイボトル利用率は2%にとどまっていた。オフィス内の自動販売機では年間5万本のペットボトル飲料(同約6トン)が販売されていることが明らかになった。

 そこで、プラスチック廃棄物の発生抑止に向け、マイボトルの利用を習慣化する共同研究に象印と乗り出すことになった。実証実験はショールームに併設のカフェを舞台に、サトー社員200人が参加して9月末まで行う。

 RFIDは電波(電磁波)を使って無線でデータの読み取りや商品の識別、管理を行うシステム。セルフレジや交通系ICカード、車のスマートキーなどに使われている。

 実証では、マイボトルにRFIDタグを付け個別IDを識別。RFIDリーダーを搭載したマイボトル洗浄機を設置し、ドリンク購入の際のボトル洗浄時に自動で読み取り、洗浄回数を取得する。マイボトルを利用した分、プラカップの利用が削減されたことになるので二酸化炭素の削減量が算出できる仕組みだ。

 データはクラウド上に蓄積され、スマートフォンの専用アプリでプラカップ削減量と二酸化炭素削減量を可視化する。洗浄機の利用回数に応じて、カフェの利用クーポンも配布する。

 坂上さんは「個人と参加者全員の行動による環境効果を数値と画像で示すことで継続的な意識付けにつなげていきたい」と力を込める。今後は、3カ月、6カ月後に意識調査を実施し、総合地球環境学研究所の協力を受け行動変容の効果を検証することにしている。

 カフェは他企業の見学を受け付け、実証実験の様子を公開する。坂上さんは「将来的には今回の取り組みをサービスとして販売できるようにしたい」と意気込む。

(詳細は28日付の電波新聞/電波新聞デジタルに掲載します)