2024.04.08 【ミリ波】映画「オッペンハイマー」が問うもの

 作品賞など米アカデミー賞7部門を獲得したクリストファー・ノーラン監督・脚本の映画「オッペンハイマー」は、被爆地での取材を重ねた自分にも重い問いだった▼原爆開発を指揮し政治に翻弄(ほんろう)された科学者の物語。巨費をかけて成功に導き、原爆の父ともてはやされるが広島、長崎での市民の大量殺りくを知り苦悩を深める▼お世辞にも行状が良いとは言えぬ彼の内面が主に描かれるが、熱線で焼けただれる人の姿など被爆の実相を想起させる場面も。「私の手は血塗られた」と声を...  (つづく)