2024.04.24 自動走行ロボやルート探索 物流「2024年問題」解決の一手に パイオニアなど

ルート探索APIを紹介するパイオニア

物流「2024年問題」解決に向けた来場者の関心は高かった物流「2024年問題」解決に向けた来場者の関心は高かった

 物流の「2024年問題」の解決に向けた動きが本格化している。ピッキングなどの物流作業を効率化する自動走行ロボットや、実用性の高いルートをはじき出して輸送を効率化するプラットフォームなど、ハード、ソフト両面からのアプローチが盛り上がりを見せている。

 10~12日にインテックス大阪(大阪市住之江区)で開催された物流関連の展示会「第5回関西物流展」(主催=関西物流展実行委員会)。過去最大規模の376社が出展する中、会場で話題をさらったのは、仏エグゾテックがパートナーのオークラと共同出展して実演した3次元立体走行ロボットだ。最大高12メートルのラックを取り出し、作業者のいるピッキングステーションまで毎秒4メートルで移動させる倉庫自動化ソリューションになる。

 中国ハイロボティクスも、ケースハンドリングに特化した最大10メートルまで伸縮可能な自律型ケースハンドリングロボットと最大可搬重量50キログラムのAGV(無人搬送車)を組み合わせた最先端の倉庫内自動物流システムを提案。THKインテックスは、中国スタンダード・ロボットのAMR(自律走行搬送ロボット)リフトで、食品物流やトラックの荷降ろし、鉄かごの搬送用など物流課題に応える提案に乗り出している。

 得意とするナビゲーション技術を生かした展開を進めるのがパイオニアだ。ルート探索API「Piomatix LBS API」やCO₂排出量を可視化する「Piomatix for Green」で物流業界が抱える課題にアプローチする。

 ルート探索APIは日本の道路環境や利用状況に応じて最適化された実用性の高いルートを算出し、トラックコンテナの管理の効率化を推進。CO₂可視化ツールは、燃費・電力消費率の推定やルート探索の技術を組み合わせたAI(人工知能)クラウドプラットフォームで、EV(電気自動車)・V2H導入による経済効果や、通勤ルートのCO₂削減効果の算出など高精度なシミュレーションが可能だ。