2024.05.02 テスラ、充電器部門レイオフ 米EV普及に影響も

充電器部門を整理したテスラ

 米テスラは充電器部門の幹部を解雇、同時に同部門を閉鎖する。同社は世界の従業員の10%を解雇する方針を明らかにしていたが、同事業は継続するものの充電器部門が整理で 先行した形になった。同社開発の充電仕様が「NACS」として北米規格になっただけに、米国政府が進めるEVの充電網拡大に影響が出る可能性もある。

 複数の米国メディアによると、急速充電事業の部門「スーパーチャージャーチーム」のシニアディレクター、レベッカ・ティヌッチ氏と車両プログラム・新製品担当ディレクター、ダニエル・ホー氏の幹部2人が退職した。

 特にティヌッチ氏は6年間テスラに在籍、充電チームを育て上げてきた。同チームの部員は約500人だが、ほとんどが退職の見込み。

 イーロン・マスクCEOは社員宛のメールで「人員削減とコスト削減は当然の措置」と述べ、社員の理解を得ようとした。

 一方でマネジャークラスには「新規のスーパーチャージャー設置は必要」と説いている。同社の24年第1四半期業績によると、3月末時点のスーパーチャージャー設置台数は世界で6249基、前年同期より26%増設。

 昨年NACSが北米のEV充電規格になり、ゼネラルモーターズ(GM)やフォードモーターもNACS採用を決めたばかりだ。

 テスラの充電器事業の足踏みが全米のEV普及全体に影響が出るかどうか米国政府は注視している。(7日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)