2024.05.29 25年度で年間1万1千戸へ パナソニックの無線インターホン、賃貸を後付けでオートロックに

無線通信により、工事の手間を大幅に減らせる

無線インターホンシステムでは追加配線が不要無線インターホンシステムでは追加配線が不要

 パナソニックが、マンションやアパートを後付けでオートロック物件にできる業界初のワイヤレスインターホン「AirEZ(エアイーズ)」を7月21日に発売する。最大45戸までの小規模賃貸物件に対応。オートロック化で資産価値の向上にも貢献できるため、反響も上々だ。2025年度には年間1万1000戸への普及を目指していく。

 エアイーズは、全住戸に対して無線通信で接続するため、住戸内親機への新規配線が不要。現地調査もワイヤレス送受信器(2台)と市販のモバイルバッテリー(2台)を活用し電波確認するだけで済み、各住戸内に立ち入る必要もない。

 無線通信は「DECT準拠方式(1.9ギガヘルツ帯)」を採用しており、「無線LAN方式(2.4ギガヘルツ帯)」を用いたワイヤレス機器との干渉がなく、クリアな映像で音声通話ができる。来訪者の呼び出し時に用件を確認できる「あんしん応答機能」も搭載し、セキュリティー性も確保している。

 同社の試算では、9世帯への施工時間の比較で、有線インターホンシステムでは配線ルートの確認、各住戸への配線・引き込みなどの施工にかかる総時間は39時間(約5日間)。一方、エアイーズの場合、施工の総時間は13.5時間(2日間未満)で、3日以上の大幅な時間短縮が可能となり、コスト削減に寄与する。世帯数が増えるほど削減効果も大きくなる。

 近年、住まいを探す条件として、エントランスのオートロックを選択肢に入れる人が増え、単身者・ファミリー含め人気設備となっている。一方、既存物件のオートロック対応は、居住者を確保する上で必要な設備と理解するオーナーは多いものの、手間やコストがネックとなり、普及が進んでいない。既存集合住宅のオートロック化への対応は施工が複雑で、居住者との日程調整に手間を取られる現地調査も必要となる。