2024.06.05 【環境の日(エコファースト企業)特集】メイコー 天童工場、エネ消費量マイナス30%目標

天童工場エコスマートファクトリー概要

 メイコーは、サステナビリティーの取り組みとして環境負荷の低減を重要な課題と認識し、昨年10月に竣工(しゅんこう)の国内最大の天童工場(山形県天童市)は「エコスマートファクトリー」をコンセプトに掲げ、工場全体のエネルギー消費量既存比マイナス30%を目指している。

 コンプレッサーやモーター、ヒートポンプ熱交換器などの省エネ設備導入によって当該設備の既存比30%の削減を実現するほか、シンボル工程を従来のスクリーン印刷からインクジェット方式に変更し、同工程の90%のエネルギーを削減。

 燃料についても、蒸気供給用ボイラーの燃焼源を従来の重油からLNG(液化天然ガス)にすることで12%のCO₂排出量を削減する。このほか、生産装置内の換気によりフロア空調の使用電力量を低減するなど使用エネルギーの削減も図る。

 再エネの導入では、太陽光発電設備を設置し自家消費している。導入済みの工場壁面の170kWに加え、今後700kW超の導入も検討している。この導入が完了すると合わせて年間500トン-CO₂の削減に貢献する見込み。これらの施策により、エネルギー消費量既存比マイナス30%以上を達成する。

 ほかの環境負荷低減の取り組みとしては、プリント基板の製造工場では多くの水を必要とするため、水使用量の削減を積極的に行っている。例えば、蒸気ボイラー冷却水に井水処理ろ過水を使用し、ろ過水の水温を上げてRO膜透過率を向上させRO水を効率的に生成したり、工場内廃水を再ろ過して再生水として再利用したりする施策で水の使用量を32%削減している。

 また、金属リサイクルでは廃液からの銅回収を国内の全工場で行っており、天童工場でも生産量の増加に伴い導入予定だ。

 同社は、天童工場以外でも石巻工場、福島工場に自家消費型太陽光発電設備を導入済みで、年間480トン-CO₂を削減しているほか、海外工場では工場内で発生するソフトエッチング廃液から金属銅を回収するプラントを設置し、銅回収を徹底するなど環境に貢献する多くの活動を行っている。