2024.06.26 【COMNEXT特集】中興化成工業 輻射放熱シートを出品 フッ素樹脂製品の提案強化

輻射放熱シート

 中興化成工業は、フッ素樹脂(PTFE)などの高機能樹脂の総合加工メーカーで、エレクトロニクス用途向けに、高速・大容量通信に適した低伝送損失のフッ素樹脂製品の提案を強化している。COMNEXT2024では、新製品の貼付可能な熱拡散シート「輻射(ふくしゃ)放熱シート PAL-350A」を出品するのをはじめ、多彩な製品を展示・紹介する。

 PAL-350Aは、熱伝導率の高いアルミフィルムに放射率の高い放熱塗料をコーティングし、テープ加工した製品。熱を赤外線などに変換し、放熱する。ヒートシンクと比べて非常に薄く、スペースに限りがある場所の熱対策に最適。

 特徴は、フッ素樹脂を混ぜることにより、耐候性を有する。発熱体に直接貼り合わせることで放射放熱による熱拡散効果を付与できる。総厚が約110マイクロメートル程と薄いため、スペースの限られる場所や軽量化が求められる箇所への使用が可能。高周波(1ギガ~6ギガヘルツ)において約50デシベル程の減衰効果がある。指定形状での抜き加工も可能。

 用途は、熱を発するモーター駆動系や発熱部品(半導体、電子部品等)などを想定する。

 同社は、PAL-350Aによる発熱効果試験として、発熱体をICチップに見立て、発熱体に50ミリメートル角サイズの輻射放熱シートを貼った場合の10分後の発熱体の温度変化を計測した結果、マイナス38.1度の放熱効果が得られた。

 同社は、今年4月からPAL-350Aを販売開始しており、数年度には年間1億円の売り上げを目指す。

 ブースではこのほか、ミリ波対応フッ素樹脂基板の「xCH-3008」(ガラスクロスタイプ)や「xCCF-280」(ガラスクロスなし)、RF用熱伝導フッ素樹脂基板「xCH-3512」、フッ素樹脂基板と異種基板とのハイブリッド基板、フレキシブルタイプのフッ素樹脂基板などを紹介する。

 xCH-3008は、伝送損失低減に超低粗度銅箔(はく)を使用しながら高い密着性を持つ基板。吸水率0.014%。従来のフッ素樹脂基板(CGP-500A)に比べて誘電正接、線膨張係数を下げた銅張積層板。xCH-3008と異種基板(RF4)とのハイブリッド基板を展示する。

 xCH-3512は、同社従来品「CGP-500A」と比べて熱伝導率を高めた基板。レーザーフラッシュ法0.623W/m・k。xCH-3512とアルミ板を貼り合わせた基板を展示する。