2024.07.09 【家電総合特集】後半戦の取り組み 三菱電機 リビング・デジタルメディア事業本部 尋木保行本部長

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冷蔵庫・炊飯器新製品を提案

電材、建設業2024年問題に対応

 物価や光熱費の高騰を背景に、耐久消費財の購入意欲は足元でやや弱含みで、補助金などの政策支援や猛暑などによる効果がみられる半面、全体の需要拡大は見込めていない。さらに素材価格や人件費、物流費の上昇もあり引き続き厳しい市場環境が見込まれる。

 家電事業は、冷蔵庫は夏商戦で主力モデルのフレンチタイプが好評で、さらなる盛り上がりに期待がかかる。後半戦に向けては「切れちゃう瞬冷凍」に加え、独自の全室独立構造での温度管理とAI(人工知能)制御技術で無駄なく効率的に自動運転を行う「全室独立おまかせA.I.」の節電・省エネサポートなどを訴求する。

 ジャー炊飯器は5月に発売した「本炭釜 紬」が堅調に推移。独自の「炭×連続沸騰×非圧」による冷めてもおいしいご飯の訴求に加え、新たに「低温調理機能」を搭載したことで、調理器としての提案を進めていく。

 夏商戦に向けては、6月までに全国で三菱家電を一堂に会した販売店向け商品体験会を開催し、手応えを感じている。

 電材は換気扇、照明ともに建設業2024年問題に対応できるよう、省施工に優れた製品を提案。照明は27年度の蛍光ランプ終息によりLED化の更新需要が拡大するため、確実に需要を獲得する。エコキュートは住宅省エネ2024補助金をさらに活用できるよう対象機種を主とした提案・販促ツールを強化する。IHクッキングヒーターは製品価値を直接理解してもらえるよう実演・実食の機会を充実させていく。

 家庭用空調は梅雨入り前からの猛暑に加え、電気代の値上がりを受けて省エネを重視した製品への注目が一段と高まっている。6年連続省エネナンバー1のFZシリーズや23年度省エネ大賞を受賞したZシリーズなど、省エネ性能の高い節電モデルを前面に訴求し需要を喚起していく。

 業務用空調は底堅い設備投資により店舗用市場が活況。業界トップクラスの省エネ性を誇るスリムZRシリーズや、業界で唯一暖房運転と霜取り運転が両立できるズバ暖スリム〈DHシリーズ〉極モデルなどを軸に提案していく計画だ。

 4月から電材・住設家電事業の強化を図るべく事業体制を変更した。家電映情事業部と電材住設事業部を統合し、電材・住設家電事業部を新設。ユーザー価値やソリューションを軸にしたマーケットインの体制へ改革した。家電は国内事業の収益性を高めるとともに独自の機能開発を強化。IoTなどを活用し、お客さまそれぞれの環境に応じた暮らしを支援する。電材住設は高付加価値化と新マーケット創造に取り組む。換気扇はトップシェアを維持していく。