2024.07.12 【電子部品技術総合特集】研究開発の取り組み オータックス 中谷邦夫執行役員テクニカル担当兼テクニカルグループ長兼製造チームリーダー

中谷 執行役員

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製品リニューアル推進

自動機組み立てにこだわる

 オータックスは、「顧客に役立つ商品サービス」を開発ポリシーに各種商品開発を進めている。

 DIPスイッチや操作スイッチなどのスイッチ開発では、多くの商品のリニューアルとシリーズ拡充を進めている。

 中谷邦夫執行役員テクニカル担当兼テクニカルグループ長兼製造チームリーダーは、「製品リニューアルにより、コストダウンと省人化のための自動機組み立てにこだわるとともに、自動機組み立てでの品質を担保するための加工方法、重要工程の検査にこだわった工程設計を推進している」と話す。

 同社は、スイッチ、コネクター、端子台などの機構部品の製品開発では、開発レビューの中で、コストダウンを考慮し、自動機製造が可能な構造を検討している。

 また、品質向上のため、超音波振動での異物発生リスクのある超音波溶着に代わる加工であるレーザー溶着や、接点ギャップを計測するインライン3D検査などの新たな設備の使いこなしを進めている。

 医療機器事業では、パルスオキシメーター、超音波診断装置用プローブなどを展開。ISO13485:2016認証取得、医療機器製造業登録を行っており、この強みを生かし、通信機能付きパルスオキシメーターを発売した。

 研究開発のグローバル化では、メイン工場の中国・深圳工場(広東省深圳市)は生産技術部門を有しており、新製品開発における工程設計を担当し、自動機生産のレビューの中心的役割を果たしている。また、中国、マレーシア、タイの海外工場での現地開発も進めている。

 アライアンス/コラボレーション戦略では、「レーザー加工、超音波バリ取り、自動はんだ付けなどの新たな工法やインライン3D検査などに着目し、各機器メーカーと連携して新商品の組み立て・検査工程に取り入れている」(中谷執行役員)。

 脱炭素関連の開発では、「カーボンニュートラル実現のため、今後、直流化社会に変化していくと認識している」(中谷執行役員)とし、その中で、高圧直流を開閉できるスイッチ、コンセントの試作品が完成し、市場導入に向けた活動を推進する。

 同社は、松久からのDIPスイッチの事業譲渡や佐鳥電機からのトリガースイッチの事業譲渡を発表した。これらを受け、サプライチェーンの最適化を行い、自社海外工場での部品生産、組み立ての検討を推進中。その中で、拡張工事が完了したタイ工場を重要な位置付けと捉えている。