2024.07.26 国内初のスターリンク活用、建設中トンネルを通信エリア化 KDDIと清水建設、鉄道・運輸機構が実現

スターリンクを活用したトンネル坑内通信のイメージ

 掘削面の映像をトンネル坑外の事務所とやりとりする様子(KDDI提供) 掘削面の映像をトンネル坑外の事務所とやりとりする様子(KDDI提供)

 KDDIは、清水建設と鉄道建設・運輸施設整備支援機構と共同で、米スペースXの衛星通信網「Starlink(スターリンク)」を活用して、建設中トンネル坑内の通信エリア化を国内で初めて実現した。

 清水建設が建設中の北海道新幹線「渡島トンネル」で、auの通信エリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」を使い、トンネル内で4G LTEが使えるようにした。

 スターリンクによる通信エリア化は、Wi-Fiと比べ設置機器数が少なく、設置コストを3分の1程度に抑えられる上、保守メンテナンス性が高いことが評価され、本格導入することになった。

 最小限の設備で約4キロメートルにわたって通信環境を構築でき、掘削の最先端箇所付近も含めたトンネル坑内で緊急通報を含めた音声通話や、データ通信が可能になった。

 掘削作業エリアではこれまで電波がなく不可能だった通話や通信ができるようになるほか、トンネル外の鉄道・運輸機構事務所とも高速通信によって遠隔臨場が可能になり緊急対応や迅速な施工協議が行えるようになる。今後は、建設機械の遠隔操作など建設現場のさらなるデジタル化を目指す。(29日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)