2024.07.30 【家電流通総合特集】家電流通 24年後半の戦略 全国電機商業組合連合会 峯田季志会長
〝つなぐ〟〝そなえる〟〝かかわる〟
次世代に向け活動実践
1月に発生した能登半島地震から半年が経過した。被害に遭われた組合員の皆さまにはお見舞いを申し上げる。被災地の一日も早い復旧・復興を願っている。
今年度は、各単組が抱えている課題などに対して、46単組が一堂に会することは難しい。全国を横断的に2、3班に分けてリモートなどを通じて情報を集め、同じ立場の皆さんで組合の在り方など、次につないでいくための交流、話し合いの場を設け、共有しながら思いがつながるようにしていきたい。
全国電商連では今年度、①まちのでんきやはカーボンニュートラルを宣言します②SDGs(持続可能な開発目標)への進化した取り組み③DX(デジタルトランスフォーメーション)の積極的な推進とデジタル推進呼びかけ員への登録--に取り組むとともに、新たに④次世代に向けた〝つなぐ〟〝そなえる〟〝かかわる〟組合活動の実践--を加えた基本方針を発表している。
カーボンニュートラルについては、過去2年間キャンペーンを行うなど内外に発信し、成果も上がってきた。今年は少し内容を変えた方法で行うため、検討を重ねている。また、各都道府県では省エネ家電買い換えなどの各種補助金などがもらえる施策もあり、後押しをしてもらっていて、活用して成果につなげるようにしていきたい。
SDGsへの進化した取り組みでは、SDGsの目標の中の「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」「つくる責任、つかう責任」にしっかり取り組んでいく。
DXについても、積極的な推進に向け、デジタル推進よびかけ員への登録を呼び掛けている。つながる家電、AI、IoTなど、新しい家電製品の普及促進にそれぞれのお店が力を発揮できるような存在でなければならないと思っている。そのためにもスマートライフコンシェルジュのゴールドコースフォローアップ研修第2弾を進めている。
今年度は新たに、「次世代に向けた〝つなぐ〟〝そなえる〟〝かかわる〟組合活動の実践」を加えた。
つなぐでは、次の世代に向け、しっかりとした形でバトンを引き継いでいく責任があると思っている。組合活動などでも各種課題がある。スピード感を持ち、しっかりと取り組んでいきたい。
そなえるについては近年、地震や水害などの自然災害が各地で多く発生している。常に災害に備えて、必要な対応ができるようにしておかなくてはならない。そのためには、事業継続計画なども次世代に向けて準備することが重要になってくる。
かかわるについては、全国各県単組が、全国電商連のさまざまな事業に関わりを持ちながら、単組で温度差がないようにしていきたい。皆さんで事業を推進していこうとする姿勢が大事だと思う。
協業化制度についても、単組で行っているところもある。組合員の高齢化に伴い、配送や設置工事など、積極的に進めるべきだと考えている。成功している単組の事例などを参考にしつつ、各単組で考えながら、協力できることは協力しながら実行に移していただきたい。
事業継承も、今まではメーカーの販売会社が仲介するケースが多かったが、今後は当事者意識を持ち、組合が主体となって取り組んでいくことも進めるべきだと思っている。
青年部活動では、昨年6月に青年部長が変わり、各地区協の青年部代表との意見交換などを行い、青年部としての思いやあるべき姿などについて話し合いを進めている。各地区協の青年部には期待しており、大変うれしく思っている。
各単組でも組合員減少が見られるが、半分以上の単組では加入する電器店がある。補助金の情報などが行政などとのつながりの中で入ってこないこともあり、組合の魅力が見直されてきている。各単組での組合員増強に対する活動に積極的ではなかったのではないか。事業継承、協業化、会員増強を含め、意識改革の大切さを訴えていきたい。