2024.07.31 日立、4~6月連結は主要3セクター増収増益

 日立製作所の2025年3月期第1四半期(24年4~6月)連結決算は、日立アステモの再編などで減収だったが、デジタルトランスフォーメーション(DX)や脱炭素などのグリーントランスフォーメーション(GX)関連の需要拡大により主要3セクターは増収増益と好調に推移した。

 デジタル分野の「デジタルシステム&サービス(DSS)」、エネルギーや鉄道の「グリーンエナジー&モビリティ(GEM)」、社会インフラなどの「コネクティブインダストリーズ(CI)」の主要3セクターが順調に伸びた。売り上げは同21%増、調整後EBITA(利払い・税引き・一部償却前利益)は同55%増となった。

 デジタル分野は注力しているデジタル事業「ルマーダ」が同17%増と好調に推移し全体をけん引。IT(情報技術)サービス、サービス&プラットフォームもDXやGXを追い風に大きく伸ばした。エネルギー関連は日立エナジーや鉄道システムが堅調に推移した。

 会見した加藤知巳執行役専務CFOは「コアフリーキャッシュフローが改善するとともに、通期見通し実現に向け順調に進捗(しんちょく)している」と総括した。

 2025年3月期を最終とする2024中期経営計画はおおむね達成する見通しで、通期連結業績見通しも3セクターで増収増益を見込む。コアフリーキャッシュフローは3年累計で目標を3000億円上回る1・5兆円になる見通しだ。一方で家電事業はエアコンが順調に伸びる半面、そのほかの白物家電は伸び悩んだ。通期で挽回を目指すがリスクを織り込んだ。

 加藤CFOは「ルマーダ事業が全体の収益をけん引していくとみている」と見通しを示した。