2024.09.20 【電子部品メーカー/商社 ASEAN特集】ASEAN拠点 RYODEN 拠点間の知見共有で顧客接点強化
須貝 執行役員
RYODENは、2023年4月に社名を菱電商事から変更。工場自動化(FA)、冷熱、ビル、半導体・デバイスの基幹4事業に加え、スマートアグリやヘルスケアなどに広げる。
海外11カ国/地域21拠点、国内27拠点のネットワークが強み。ASEANではタイ(RYOSHO〈THILAND〉)、シンガポール(RYOSHO TECHNO SINGAPORE)、ベトナム(RYOSHO VIETNAM)、マレーシア(RYOSHO MALAYSIA)に拠点を築く。須貝朋之執行役員経営企画室東南アジア戦略局長は「東南アジアを点から面でとらえる」を方針に掲げ、拠点間の知見の共有を武器に国をまたぎ日系顧客に拡販するほか、非日系企業、地元企業と接点を増やす。
1990年に設立し、ASEANで最も歴史あるシンガポールは半導体・デバイス事業専門。技術部隊も擁し、08年に設立した同地域最大の拠点、タイを支援する。タイはFAや冷熱も手掛け、地元システム開発事業者(SIer)と組み、FAを機器単品でなく付加価値を持たせて売るシステム商談の知見を19年設立のベトナムや23年設立のマレーシアに共有する。
冷熱はタイで暑熱対策機器として好評を得ているエリア空調機について、ほかの東南アジア諸国にも視野を広げようとしている。
最も若いマレーシアは半導体産業の集積地、北部ペナン州を中心にFAに注力する。同地のFAは「他社も注目しているところ」(須貝氏)で、特色として非日系メーカーと接点を増やしており「数年後には花開かせる」意向だ。設立1年半で地元SIerと関係も築いた。
同地は米中摩擦の間接的影響で半導体産業の進出が活発。月ごとに差はあるが、ならせば市場の成長は右肩上がりとする。
ASEAN全体でも人件費が拡大傾向で成長市場と須貝氏はみるが、米中摩擦のもと同地域における中国の動向を注視する。タイは政府が中国と関係を強化。「EV3.5」政策のもとで、EV(電気自動車)産業を誘致し、中国企業の進出が著しい。
タイでのデバイス事業は車載向けが大きいため、EV化が今後どうなるかも注視する。