2024.09.20 【電子部品メーカー/商社 ASEAN特集】ニチコン マレーシア ニチコン ハイブリッドコンの量産を準備

ニチコンマレーシア工場の外観

梅原 工場長梅原 工場長

 ニチコンのグローバル供給拠点「ニチコン マレーシア」(スランゴール州バンギ工業団地)では、需要増が期待できるハイブリッドコンデンサーの量産への準備を進めている。生産用の設備導入と立ち上げを行い、来年4月からの量産に向けて取り組みを進めている。

 同工場は1991年に操業。小型、ブロック型、チップ型のアルミ電解コンデンサーを生産。マレーシアやタイ、シンガポールなどASEAN地域だけでなく、欧米、中国、日本などグローバルに製品を供給している。スタッフ数は約1000人。ダイバーシティにも取り組んでおり、55%いる女性の役職者増にも取り組む。

 各製品のラインでは、省人化・WIP削減・LTの短縮を目的に各工程間をつないだ自動ライン化を推進。小型製品を生産するラインでは、巻取から二次加工・梱包(こんぽう)までのコンベヤー連結による一貫ライン化を計画。チップ型のラインでは組み立て一貫ライン機の導入・拡大を2023年に完了。ブロック型も一貫ライン機にて省人化実施していた。

 この状況下、ハイブリッドコンデンサーの量産を来年4月からスタートする予定。新建屋を建設し、工場稼働に向けて準備を進めている。同製品を量産することで小型、チップ型、ブロック型の四つの製品を量産できる体制を確立。バランスよく製品を供給する。

 昨年は受注が減少していたが、24年に入り、景気に明るさが見えるようになった。一方、以前ほどの受注は獲得できていない状況。「今しかできない取り組みを行い、筋肉質な組織をつくる」と梅原孝洋工場長。利益貢献のための廃棄削減、生産効率の向上を目指すデジタル化、品質改善(設備改善、異物対策)などを目的としたクレーム削減など、各種プロジェクトを推進している。

 24年の設備投資額は29.5億円を予定。自動化や品質向上などへの投資はそのまま継続する。梅原工場長は「新しいハイブリッドアルミ電解コンデンサーのラインなども含め継続的に投資は続ける。新棟の屋根には100kWの太陽光パネルを設置。環境にも配慮した。ガスコージェネレーション設備を導入しており、CO₂削減にも貢献したい」と語った。